台風禍で運休の北海道「タマネギ列車」10月1日運転再開へ
10月1日から運転を再開し、タマネギ列車も同日から運転される予定だ。
8月の台風10号による大雨や、その前後で続いた長雨で大きな被害を受けた北海道東部・道東地方。寸断された主要国道を初めとする道路や鉄道では、いまだ復旧しないところがある。
農業面でのダメージも大きい。タマネギやジャガイモ、ニンジンなど北海道への依存度が高い作物にとっては、収穫間際の被害。とりわけタマネギは、九州産の不作から北海道産の供給が待たれていたところへ災害が追い打ちをかけた格好だ。
首都圏のスーパーなどでは1個が100円以上と、価格が例年の2倍以上に高騰しているケースも見られる。
■「タマネギ列車」運転再開へ
タマネギの生産で日本一とされるオホーツク・北見市周辺では遅れて収穫が始まっているというが、肝心の輸送手段は鉄道が不通で使えずトラックに頼っている状況。いつもの年ならタマネギを満載した車両を延々つなぎ北見〜新旭川間で運転される臨時貨物列車・通称「タマネギ列車」は、運行経路にあたる石北線の上川〜白滝間の路盤が大規模に流出したことで運休が続いていた。
特急をはじめとする旅客列車も運行できないでいたところ、同区間は復旧工事が完了。10月1日から運転を再開し、タマネギ列車も同日から運転される予定だ。
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■一方、十勝のジャガイモは…
一方、ジャガイモ産地の十勝では、鉄道の復旧が遅れている。根室線の帯広から隅田川(東京都)や吹田(大阪府)を結ぶ定期貨物列車も運転できず、ジャガイモをはじめとする農産物はトラックで運び出すほかない。
とはいえ肝心の国道は、273号・274号が十勝との境界になる峠付近で通行止め。釧路港などからRORO船と呼ばれる定期貨物フェリーやチャーター船も駆使して、懸命の輸送が続く。
そんな中、石北線と同じく10月1日には上川・オホーツク方面へ抜ける273号で通行止めが解除される見込み。札幌方面への274号は復旧の見通しがつかないままだが、少しずつ明るい兆しも見え始めたようだ。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)