暴力は連鎖する?親から殴られるといじめっ子になる可能性が…
親が子供を殴ることは虐待として問題になっているが、そんな話になると必ず「自分たちの若い頃には」と言い出す人がいる。昔はそれほど、親が子に手を上げていたのだろうか。
そこでしらべぇ編集部では、「親から殴られたことがある」かどうかの調査を実施。あると答えたのは、全体では36.3%であった。
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■親からの暴力は70〜80年代の文化
一番多いのは、40代男性で6割近くの人が親に手を挙げられた経験をしている。
「昔は、親が殴るのは当たり前だった」との意見があるが、60代以上は男女ともに少ない割合。今回の結果から見ると、70〜80年代にかけて広がった文化だといえる。
ただ親からの虐待が問題になった現在では、子供に殴る教育をする親は減少。20代では男女ともに20%台と、親から殴られた経験のある人は少ない結果である。
「うちの父は早くに両親をなくして、親の愛情を知らずに育ったそう。そのせいで典型的な毒親になり、気に入らないことがあればすぐに殴られました。本人は『おまえが悪い』との考えですが、理不尽な理由ばかり。父はすでに亡くなっていますが、今でも納得はしていません」(40代女性)
正当な理由があって手を上げられるも子供にとってはつらいのに、理由が不鮮明であれば納得できないのは当然だ。
■親からの暴力はいじめにつながる
暴力は連鎖すると言われるが、実際にそのようなケースは多いようだ。
いじめっ子は、家庭に問題があることが多いと言われている。家庭内のコミュニケーションがうまくいかず、中には日常的に親から暴力を受けていた子も多いだろう。
安定した情緒が保てないまま、自分も誰かをいじめることで発散をする。とても悲しい話だ。いじめの解決はその行為だけではなく、それぞれの心にアプローチをする必要がありそうだ。
先ほど父親の暴力について話した女性は、暴力の連鎖について次のように語る。
「親になったときに、私も子供を殴るのではと悩んでいました。実際、10代後半から20代前半くらいまでは情緒不安定。今でも独身なのはモテないだけかもしれませんが、結婚願望はないです。親が幸せそうに見えなかったし」(40代女性)
子供は親よりも、確実に力が弱い。そんな相手に手を出すのは、フェアな叱り方ではない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・ニャック)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の男女1,365名 (有効回答数)