【実験】語尾に「。」が付く言葉を加えれば、普通の写真でもそれっぽくなる?
「モーニング娘」、「キンタロー」。これらは、誤字です。正確には、「モーニング娘。」、「キンタロー。」と句点(マル)が付きます。このように、いまやタレントやグループの名前にまで付くようになった句点。本来は文章の末尾に付くわけですが、そのルールは現在、なし崩しになっているように感じられます。
たとえば、広告コピー。名コピーライター糸井重里さんのコピーにも数多く「。」付けは見られます。たとえば、雑誌の表紙コピー。某B誌の最近のバックナンバーを見てみると、実際に「読書入門。」「あんこ好き。」「ほめられる写真。」といった表紙コピーがあります。つい惹かれちゃいますよね。そしてたとえば、ドラマのタイトル。『残念な夫。』(フジテレビ系)などが頭に浮かびます。
はたして「。」を付けることの効果は何なのでしょうか? 「画数が増える」「締まる」などと突きつめて考えてみましたが、結局のところ、「なんか、それっぽくなる」という効果が最もしっくりきます。
では、「。」を付けるだけで本当に“それっぽくなる”のか? 今回、ワタナベエンターテインメント所属、芸歴1年目の若手兄弟お笑いコンビ「土佐兄弟」のふたりの協力のもと様々な写真を撮り、それぞれに「。」付きで一言コメントを付けてみました。
それっぽくなっているか…。見ていきましょう。
「もう1杯、飲みたいんだ。」
まずは、無難な感じで一言。この横顔は、ツッコミ担当で兄の土佐卓也さん(27歳)です。普通のセリフなので、それっぽさはあまりないかもしれませんね。
「やっぱトートバッグだよな。」
こちらもセリフということで、それっぽさはそこそこ。ただ、「。」があることでトートバックの広告感が若干出てますね。右が、ボケで弟の土佐有輝さん(20歳)です。
「おしっこの話するか?お茶飲んでる時に。」
右が卓也さん、左が有輝さん。なんだか、「写真に一言」という大喜利のようになってきてしまいましたね…。ということで、次からは少し写真を加工してみましょう。
「漫才の、練習。」
出ました! かなりそれっぽいですね! ただ行われている現象を説明しているだけなのに、セピア感を加え句読点も挟むことで、だいぶそれっぽくなっています。“夢を追う若者”の広告ポスターといわれてもあまり違和感なく受け入れられるでしょう。「加工+。」は、それっぽさ製造機といえそうです。
「ツッコミの兄。ボケてる弟。」
今度は、背景ぼかしの加工です。句点2個づかいという贅沢パターンの言葉を入れてみました。次は、逆。
「迷彩服の効果。」
前に出るフェイスが一気に爽やかになったことで、それっぽさが増したように思われます。言葉自体も商品の効果を説明するものなので、広告的なそれっぽさ抜群です。次が最後。
「昨日のカツカレーか。」
最後は、悲壮感あふれる白黒加工。こちらも「。」があることでそれっぽさが……もう、ここまでくるとそれっぽさが出ているのかどうかは分かりませんね。ただ、お腹痛いんだろうなぁ…かわいそうだなぁ…という感想しか浮かんできません。
実際にやってみたところ、「名詞+セピア+。」という要素を加えるだけで、普通の写真でもかなりのそれっぽさが出る可能性があることが判明しました。それっぽい写真を撮りたいと考えているみなさん、ぜひ参考にしてみてください!
(協力/土佐兄弟、企画・文/しらべぇ編集部)