雨や霧、太陽も! プロレスのリングで起きる「気象現象」とは?【元井美貴のお天気ラリアット】
みなさんこんにちは。プロレス大好きな気象予報士、元井美貴です。
東京では先週、この冬9回目の雪が降りましたね。でもみなさん!日本には季節を問わず様々な気象現象が起こる場所があるのをご存知ですか? 超局地的に(6.5メートル四方のごく狭い範囲で)雪崩・雷・雨・竜巻・ハリケーンなどが巻き起こる場所、それは…
プロレスのリング!
気象予報士として様々な気象現象を観測して10年以上になりますが、雨や雪が降るのは雲の下だけではありませんでした。四角いリング…そう、プロレスのマットの上では毎日のように様々な気象現象が起こり、大荒れの天気になることが多々あるのです。
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◆雨
業界最大手の新日本プロレスでは「雨」がしばしば観測されます。新世代のエースであるオカダ・カズチカ選手の必殺技は、長い腕から繰り出される「レインメーカー」。
年間最大興行の1.4東京ドーム大会でも観測され、「太陽の天才児」から「100年に1人の逸材」へと進化を遂げた棚橋弘至選手と雨vs太陽の激闘を見せつけ業界にお金の「雨」をも降らせています。
しかも雨だけではなく、新日本プロレスでは選手本人がドスンと降ってくる「上からドン(中西学選手)」というダイナミックにもほどがある恐ろしい技まで存在するほど。
もはや何が降ってくるかわからないリング…警報レベル級の警戒が必要です。
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◆霧
武藤敬司選手率いる団体レッスルワンでは「毒霧」をよく見かけます。
グレート・ムタ選手やTAJIRI選手の口からぶしゃー!と、某梨汁をまさる勢いで吹き付けられる緑や赤の液体…それが毒霧。対戦相手がその威力にたじろいだ瞬間が形勢逆転のチャンス!
都市化が進んだ東京では、年間の霧日数はたった3日足らず。プロレスのリング上の方が、遥かに多くの霧を観測することができるのです。
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◆太陽
ザ・グレート・サスケ選手が会長を務める東北みちのくプロレスでは、「ムーの太陽」なるユニット(サークルとの説もあり)が勢力を拡大中。
もはや誰の手にも負えない状況です。サスケ選手と固い絆で結ばれたメンバー、双子のバラモン兄弟が会場を荒らす様子はまるで台風のよう。
対戦相手に真っ黒い墨汁を浴びせるだけに留まらず、口に含んだ水をお客さんの体、私物、至る所に浴びせまくるという悪事の限りを尽くすバラモンご兄弟。
「太陽」というユニット名にも関わらず、試合における降水確率はほぼ100%!会場は本気の悲鳴が渦巻く地獄絵図に…。
見に行かれる方はタオルと覚悟と諦めが必要です(光栄なことに私も何度か浴びました)。
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◆雪
その他、幅広い団体でも生じるのが「雪崩」…もちろん通常の雪崩とは違い、選手の肉体が積み重なった雪の如く崩れ落ちる激しい現象です。
通常のバックドロップも、リングの隅にあるコーナーポスト上から放つことで「雪崩式」バックドロップとなり、相手に与えるダメージが倍増します。
雪崩式の技は昔はそれほど多くは見られませんでしたが、温暖化の影響か最近では必ずと言っていいほど起きる現象に。お客さんの熱気が高まるほど、リングには広く雪崩注意報が発表されることになるのです。
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◆風
「世界一性格の悪い男」と評される鈴木みのる選手の入場では、曲に合わせてお客さんが大合唱。
サビの部分「♪かっぜっ(風)にーなれー!」のコールと共に若手選手を蹴り倒しながらリングインする姿は、花道を吹き抜ける疾風のように冷たく軽やか。団体の垣根を越えての暴れっぷりは、日常生活におけるちっぽけなことを吹き飛ばしてくれます。
◆その他
デスマッチを売りにする大日本プロレスのリングでは、凶器として使われる蛍光灯の破片が客席ギリギリまで雨のように降ってくることも…!
そんな時にお客さんを守ってくれるのが、エプロンサイドに控える若手選手のみなさん。ガラスや蛍光灯の破片が飛び散らないように両手をさっと広げ、自らの体で危険物を受け止めるのです。まるで雨の日にふわっと差し出された傘のように、男らしい胸キュンポイント。ぜひ会場で体感してください!
プロレス技には
「ローリングサンダー」
「スカイツイスタープレス」
「カミカゼトルネード」
「スカイハイボム」
「ハリケーンラナ」
「サンダーファイアーパワーボム」
など荒々しい気象現象を名前にした技も数多く開発され、時代とともに激しい技が増えてきています。今日もどこかのリングで、生き様を見せつけながら戦っている選手がいます。命を懸けて戦うその姿に、感動と尊敬の念が虹のように心の中を広がることでしょう。
昔プロレスを見ていた方も、まだ見たことがない方も、最近ファンになったみなさんも、ぜひ会場で一体となってプロレスブームにさらなる上昇気流を起こしましょう!
(文/気象予報士・元井美貴)