隠れベストセラー「県民手帳」 長野・茨城など41県で確認
新年は、カレンダーや手帳を新しくするタイミングでもある。
カレンダーはおおむね「その年だけのもの」だから、いや応なく掛け替えることになる。手帳も、1月始まりの仕様を愛用している人は新しいものを整えて仕事始めなどに備えることになる。
手帳は、各社からさまざまなタイプのものが発売されている。「これ一本」と決めて毎年、同じシリーズで新調する人もあれば、環境の変化や使い勝手の良しあしなどから、新しいタイプのものを求めて毎年、さまよい続ける人もある。
■隠れベストセラー「県民手帳」
ベストセラーとされる手帳には「NOLTY(能率手帳)」「ほぼ日手帳」「トラベラーズノート」などが挙げられるが、隠れベストセラーといえるのが「県民手帳」。各県または県の外郭団体にあたる統計協会が毎年、発行し、国内に43ある県のほとんどにある。
発行部数が最も多いのは長野県で、5万5000部ほど。次いで茨城県が約4万6000部を発行している。
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■「県」情報が充実
そろそろ仕事の来年のスケジュールは来年の福島県民手帳に書き込む事とします。
2016-2017へ引き継ぎ。
カウントダウン。
今年の仕事は残り3日 pic.twitter.com/jV546sbUSl— たくちゃん✊稲刈りの民🌾 (@taku_muto) December 26, 2016
各県民手帳の標準的なサイズは、ヨコ約80ミリ・タテ約140ミリの「手帳判」。より大型・小型のサイズを用意する県もある。表紙の多くはビニール製で、県章や県のキャラクターなどを刷り込む。
中を開くと、メインは月間と週間のダイアリー。県庁と各市町村の庁舎の住所や電話番号、県内で開かれる年中行事などの掲載もあり、統計協会の発行とあって県勢にまつわる数値を一覧で載せていることが多い。
島根県民手帳などには、中央官庁の一覧とともに霞ヶ関の地図も掲載。手帳のユーザー層は行政関係者が多いといわれるだけに、陳情などでの上京時に活用してもらうことを想定しているようだ。
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■県キャラあしらう手帳も
おしなべて「遊び心」は見られない県民手帳だが、県のキャラクターを表紙にあしらう「熊本(=くまモン)」「群馬(=ぐんまちゃん)」「和歌山(=きいちゃん)」などのほか、「おんせん県おおいた」をうたうシンボルマークが踊る「大分」などの変わり種も一部で見られる。
それより、三重県民手帳の異常なクオリティの高さが目を引く。中身も機能的で使いやすそうだったんですが、何より注目すべきは表紙の布張り。綺麗な木綿、「伊勢木綿」というものだそうです。柄は4種類も! pic.twitter.com/C2YoViJvlQ
— 鯖 (@Thavatter) December 10, 2016
併せて、県内産の「伊勢木綿」を表紙に布張りする三重などの豪華な仕様も見かける。
なお各県で県民手帳を発行しないのは「神奈川」「兵庫」の2県。うち兵庫は、過去一度も県民手帳を発行したことがない(神奈川は2011年で絶版)唯一の県とされる。
また東京都と北海道、京都府、大阪府の「都道府」は、いずれも県民手帳にあたる手帳を発行していない。
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(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)