60代より若者に多い『遺言書作成』 親に「作って」言いづらい…
自分が死んだらどんなお葬式をしてほしいか、どんなお墓に誰と入りたいか――などを元気なうちに考えるムードが高まっている。
人生のエンディングについて考える「終活」は、2012年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。
故人が遺族への遺産相続を円滑に進められるよう、指示を残した文書である「遺言書」も終活に含まれ、ある日突然やってくるその時に慌てないために、準備しておいた方がよいもののひとつである。
しかし、当人が「まだ早すぎるのではないか」と考えてしまったり、少し前までは「縁起が悪い」と快く思わない人も多く、相続は残された家族で考えるべきとの風潮もあった。
■遺言書を作った割合は?
しらべぇ編集部では全国20~60代の男女1,400名を対象に、遺言書に関する調査を実施した。
自分の遺言書を作成したのは全体の9.1%。性別・年代別では、男女とも20代で割合が一番高く、女性は30代が続く。20、30代に多い離婚を機に遺言書を作る人がいると予測できる。
また、年収別に集計すると、高所得者に遺言書作成者が多くなる傾向がある。当然のことながら、経済的に成功した人は遺言書に対する意識が高いと考えれば自然だろう。
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■遺言書の作成割合が年代別でもっとも低い60代
20代の遺言書を作成した割合が高い一方で、60代はもっとも低い。遺言書を子供は作って、親は作っていない家庭もあるだろう。
家族のあり方が多様化し、親元を離れて暮らす子も多い現代。親の交友関係や、口座を開設している金融機関を子が知るチャンスはあまりない。とはいえ、やはり「作って」とは、言いづらいものでもある。
終活は自分の希望を示すだけでなく、周囲や子孫への負担を残さず、相続人同士のトラブルを防止する手段でもある。もしものための準備に、早すぎることはないだろう。
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(文/しらべぇ編集部・小河 貴洋)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年1月20日~2017年1月22日
対象:全国20代~60代の男女1,400名(有効回答数)