全面禁止は行きすぎ?非喫煙者から「お店を選ぶ自由くらい」の声も

2017/03/05 19:00


たばこは全面禁止にするべき
(©ぱくたそ)

2020年に開催される東京オリンピックに向けて、受動喫煙対策に関する議論が活発になっている。「ここまで規制するのなら、いっそたばこを禁止すればいい」との声もあるほどだ。


■吸わないけど全面禁止には反対の人たちも

しらべぇ編集部では、全国20〜60代の男女1,400名に「たばこについて」の調査を実施。「たばこは全面的に禁止すればいい」と答えた人は、全体で50.8%と半数を超える結果になった。

たばこは全面禁止にするべきグラフ

JT(日本たばこ産業株式会社)が毎年おこなっている「全国たばこ喫煙者率調査」では、2016年5月現在の喫煙率は男女計で19.3%。

喫煙率がここまで減少しているもの気になるが、しらべぇの調査と重ねて考えるとタバコを吸わない人でも全面禁止は反対している人がいることになる。

「たばこを吸う人と一緒に飲みに行くと、服に臭いが染みついて嫌。だけど居酒屋とたばこって、切り離せないものなんじゃないの?」(30代・男性)


「場末の居酒屋なんて、今回の法案が通ったら死活問題でしょう。お店に『喫煙可能』と書いてくれたら、吸わない私は入らない。お店に選ぶ自由くらい、与えてもいいと思う」(40代・女性)


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■喫煙者が多い40代、50代は反対が多く

性年代別で見ると、全体的に女性のほうが多くなっている。

たばこは全面禁止にするべき性年代別グラフ

同じくJTの「全国たばこ喫煙者率調査」では男女別の喫煙率も公表されており、男性は29.7%、女性は9.7%と圧倒的に男性のほうが多い。全面禁止に賛成するのに女性が多いのも納得だ。

また、たばこの全面禁止に消極的なのは、40代から50代のたばこをよく吸う世代である。

「現在でも肩身の狭い思いをしているのに、この先は家でひっそりとしか吸えないのかもと思う」(40代・男性)


さらには、こんな意見も。

「いっそのこと、全面禁止にしてくれたらやめられるのではと思えてきた」(30代・男性)


関連記事:「喫煙者への風当たり強い」最も多いのは50代女性 嫌煙派からは歓迎の声

■若い世代からは「そこまでして吸いたいものなの?」と疑問の声も

健康志向やたばこの値上がりなどの理由から、喫煙者は減少している。若い年代からはこんな疑問が挙がった。

「タバコって、なくてはならないもの? 私も何度か吸ったことがありますが、別になくても困らないと思いました。わざわざ高いお金を出す気持ちが、理解できなくて」(20代・女性)


これに対したばこを吸う人からは、次のような回答が。

「おいしいと思わないたばこをカッコつけて吸っているうちに、やめられなくなっていた。最近では周囲でも禁煙する人が増えているし、自分もそろそろかな思っているけど…」(40代・男性)


「慌ただしい中で、一息つける貴重なリラックスタイム。愛煙家の多くはマナーを守って、気を遣っていることを理解してくれる非喫煙者も少なくないと感じるし、共存できる環境はあるはず」(30代・女性)


喫煙者でなくとも、存在そのものを認めない「全面禁止」には懐疑的になるもの。それぞれを尊重できる形はありそうだ。

参考リンク:2016年「全国たばこ喫煙者率調査」

・合わせて読みたい→タバコをやめてほしい人vsそれでもやめられない人 言い分対決

(取材・文/しらべぇ編集部・ニャック

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2017年1月20日~2017年1月22日
対象:全国20代~60代の男女1,400名 (有効回答数)

喫煙禁煙たばこ調査
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