音楽ライブでの「ダイブ」により女性客重症 悲痛なツイートに波紋
「自己責任」のもと行われる「ダイブ」。周囲への「思いやり」を求める声が相次いでいます。
音楽ライブは、ファンにとってもアーティストにとっても特別な空間。
曲やメンバーに合わせたカラーのサイリウムを振って一緒にライブを創り上げる喜びや一体感を味わったり、合いの手を入れたりとアーティストによってその応援の仕方は様々だ。
そんな中、これまでも何度か問題視されてきた「ライブハウスで行われるファンの行為」によって、鼻骨を骨折する大怪我をした被害者女性の悲痛なツイートが波紋を広げている。
■「ダイブ」した客の足が顔面を直撃し鼻骨骨折
14日に行われたあるアーティストのライブに参加したという、「まちこは4/14に鼻骨骨折(@LmhLIA7tySSR6Ec)」さん。
演奏の途中で何人かの客が「ダイブ」を始め、そのほとんどのダイバーは慣れた様子で流れるようにダイブしていたそうだが、ある1人のダイバーが着地を抵抗し、人の上で暴れだした。
その暴れたダイバーの足がこのユーザーの顔面に直撃、「蹴られたような衝撃」と共に激痛に襲われ、口と鼻から多量の出血。
すぐに外へ誘導を促されたが、熱心なファンである彼女はこの日最前列をキープしており、「せっかく来られたライブの演奏中に退場したくない…」という気持ちから、足が動かなかったのだそう。
しかし、多量の出血により貧血状態となり、スタッフに抱えられるようにして退場。その後、激痛と口と鼻から流れ出る大量の血、現場の慌ただしい様子から過呼吸を起こしてしまったという。
楽しみにしていたライブを、モニター越しに眺めることとなり、悔しさが込み上げ涙が溢れ出した。
その後、容体が落ち着いて帰宅した時には日付を跨いでおり、後日鼻骨骨折の整復手術を受けることとなった。
その医療費だけでも2万円ほどかかったほか、今回の出来事がトラウマとなり、今後ライブに参加することは困難であると、心境を綴っている。
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■音楽ファン「思いやりを持った行動を」
今回問題視されている「ダイブ」は、一部のライブハウス側が「自己責任」を前提に許可しており、まちこさんも投稿の中で「自己責任と分かっていますが…」と前置きしている。
しかし、ネットでは「ダイバーが怪我をするのは自己責任だが、巻き込まれた人は自己責任ではない」といった声が目立つ。
ライブでの怪我は自己責任ってのは例えばダイブして着地をミスって骨折したとか、運動不足なのにでかいサークル全力疾走して足がもつれて転んで捻挫したとか、要は自爆して怪我した場合のみを指すもんだよなあ。(なおどちらも実体験) 他人から不意打ちで負わされる怪我は自己責任とは言わないよな
— shi (@shi_666) April 17, 2017
ライブ中の怪我は自己責任で
っていうのは、
「怪我してしまうのは自分の責任で行きます」
って事だと思うけど「誰かに怪我をさせても自分が責任を取ります」
という意味も含んでるのだと思うよ自己責任だからと好き勝手暴れて人に怪我させるのは無責任なんやで
— へ / DJへポポタマス🦛⚰⚰ (@gyzotk) April 17, 2017
しかしながら、「ダイブ」などの行為は音楽ファンにとってライブを楽しむための醍醐味であり、一部の音楽ファンやバンドマンらからは、全面規制されないよう「思いやりのある行動を」と呼びかける投稿も見られる。
ツイッター開いてなくて気づくの遅れちゃったけど、ライブでケガしちゃった子がいるみたいね。
モッシュダイブについて俺はライブを楽しむことの一つとして規制されるべきものではないと思うのですが、これ以上規制されることのないようにするために、支えてくれる人への思いやりを持って行動しよう!— SUGA dustbox (@sugardustcurry) April 17, 2017
うちもダイブを否定していない。でも覚えておいて欲しい。ダイブ出来るのは下で支えてくれてる人がいるから。君を目立たせる為に下の人はLIVEに来てるわけじゃないんだ。楽しそうな君を見て頑張って支えてくれてるんだ。だから絶対に怪我なんてさせちゃいけないし、感謝を忘れちゃいけないよ。
— 絶叫する60度 (@zekkyo60) April 17, 2017
私はダイブが全部嫌いなんじゃなくて、ヘタクソが増えてきたから嫌なんだよな。
私の大好きな某パンクバンドなんかはもう小箱だろうがなんだろうがバンバン人飛ぶけど、みんなちゃんと足は上げて、蹴飛ばしたりしないようなスキル持ってる。
ダイブにも思いやりが必要ですよ、ないならやっちゃダメ。— N (@nb_0429) April 17, 2017
傍から見たら危険極まりない行為ではあるものの、そこはファンとアーティストの特別な空間であり、音楽を愛でるうえで欠かせない行為だ。
だからこそ、「思いやり」をもった行動を心がけ、純粋な音楽ファンが「怖くてライブに行けなくなる」なんてことは、絶対にあってはならない。
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(文/しらべえ編集部・もやこ)