「遠慮するな」で無理も…出されたら満腹でも食べる人の心理
たくさんの料理でもてなしてくれる気持ちに答えようと、無理やり食べている人も多いよう。
たくさんの料理でもてなすのは、歓迎の証である。しかし人間の胃袋には限界があり、すべてを食べ切るのが困難なことも多いだろう。
しらべぇ編集部では、全国20〜60代の男女1,336名に「食事について」の調査を行なった。
その結果、49.5%もの人が「おなかがいっぱいでも、出されたものは食べる」と回答をしたのだ。
■おなかがいっぱいなのに「遠慮しないで」
男女別では、両者とも約半数が出されたものはきちんと食べている。
女性は体型維持のため、食べ過ぎに気をつけている印象がある。それでも出されたものを残さないことのほうが、重要なのだろうか。
「自分で作るときには、ちゃんと食べ切れる量を作る。ただ外食や他人の家でごちそうになったときは、残すと失礼だと思ってがんばって食べるようにしている」(30代・女性)
ごちそうをするほうにとっては、たくさん振る舞うことがもてなしと思っていることが多い。
「主人の実家に帰ると、たくさんの料理を用意して歓迎してくれる。嬉しいけどおなかがいっぱいで、箸が止まっているのに『遠慮しないで』って言われると、無理やり押し込む状態に」(40代・女性)
「実家の親と外食に行ったら、バカほど注文して自分たちは食べない。俺がひたすら食べて『もう無理』ってところで、母が『遠慮しないの』とか言うから、けんかに…『俺はこんなに食べたんだよ!』って」(30代・男性)
ごちそうになるほうも、気を遣って無理に食べるので、負の連鎖になってしまうのだ。
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■いい料理も食べ過ぎで台無しに
年代別では、50代以下はすべて半数を超えている。
60代以上になって、ようやく30%台まで減るのだ。
「年を取ると、そんなに食べられない。それならまだまだ食欲旺盛な若い人たちに、たくさん食べてもらおうと思う」(60代・女性)
年配の人が「遠慮するな」とさらに食べるのを促すのは、「自分は無理だけど、若い人ならいけるだろう」との考えもあるようだ。
「60代から見れば若いかもしれないが、30代後半の胃腸はそれほど強いものではない。せっかくのいい料理なのに、感想が『食べ過ぎた』にしかならないのが残念」(30代・男性)
食べ物を残すのに罪悪感を持つ人が多いのは、そのような教育を受けてきたから。「客人は簡単に残せない」ということを、振る舞う側の人も意識をしておいたほうがいいだろう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・ニャック)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年4月21日~2017年4月24日
対象:全国20代~60代の男女1,336名 (有効回答数)