器用過ぎて単なる便利屋さん扱い…器用貧乏で疲弊する人たち

マルチタスクと言えばカッコイイが、器用貧乏はなんでもできるせいで押し付けられがち

2017/05/10 06:30


(CreativaImages/iStock/Thinkstock)

器用なのは細かい作業が得意だったり、要領がよかったりといったポジティブな要素。

しかし、それも過ぎると「器用貧乏」といって、小器用なだけで大成しない人――といったネガティブな形容となってしまう。

ゼネラリストやマルチタスク、“なんでもできる人”と言えば聞こえはいいが、できるが故にあれこれと押し付けられてしまうことも。

しらべぇ編集部では、全国の20~60代の男女1,332名を対象に「自分は器用貧乏だと思う」人の割合を調査した。


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■やらなきゃいけない立場だと

全体では29.7%と、およそ3割が「自分は器用貧乏だと思う」と回答。男女別で見ると男性は28.4%、女性は30.9%で、女性の方が2.5ポイント高い結果に。

前提となる「器用な人」という点で、女性の方が多い傾向にあるため、やはり女性の方が器用貧乏は多いようだ。

しかし、性別・年代別で比較してみると

20代・30代は女性の方がかなり多いものの、40代以降は男性の方が女性を上回る。

また、多くの場合「器用貧乏」は仕事の面で使われる言葉ということもあり、職種別で見てみると

「商工サービス自営」42.4%、「自由業」37.5%と、実務作業だけでなく経理的なことや営業的なことなど、自分自身で担うことの多い職種に高い傾向が。

公務員も平均より高いが、例えば教員などは専門の教育に加え、生徒指導や部活の顧問、多数の事務処理など、仕事の領域が幅広いケースは多そうだ。


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■できてしまうのも考えもの

実際に自らを「器用貧乏だ」という人に話を聞いた。

「小さい制作会社に勤めています。人数が少ないから、なんでもこなさないといけなくて、元々見よう見まねでできちゃうところはあったのですが、今の職場でそれが磨かれてしまった感じはありますね。


できなければ頼まれないけど、できるから頼まれてしまうことも多くて、ものすごく損している気分になることも多いです。器用だから厳しい業界で生き残れる自信もあるけど、キャリアを重ねるほど、不器用でも何か一つ秀でたものがある人が、うらやましくなります」(30代・女性)


「性格的にお節介なところがあって、頼られると断れない性格でもあります。事務処理も得意な方だし、デジタルも苦手じゃないのであれこれ頼られがちです。それで気づくと、自分の仕事は後回し。(苦笑)


人のためになることなので、嫌々やることはないんですけど、たまに手伝わせるだけ手伝わせて、気遣いもせずに先に帰る人とかがいると、割り切れなさを感じますね。せめて『何か手伝おうか?』くらい、口先だけでも言ってくれればいいのに」(40代・男性)


なんでもできる器用さは、人から頼られたり、うらやましがられたりするが、本人にとっては一芸に秀でない物足りなさや、割に合わない気持ちにさせられる要因になっている。

不器用なのも大変だが、器用すぎるというのもまた、面倒なのかもしれない。

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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2017年3月24日~2017年3月26日
対象:全国20代~60代の男女1,332名(有効回答数)

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