残業増えてる?変化なし多数も「なくなる気がしない」の声も
始まる前から終わっていたようなプレミアムフライデーを見ても、残業事情は変わらないもよう
政府が主導となった「働き方改革」がニュースを賑わせているが、残業しまくっているサラリーマンからは、実行を疑問視する声も多い。
また、働き方改革とは別に、個人消費喚起キャンペーンとして提唱された毎月最終週の(金)午後3時に終業する「プレミアムフライデー」は、初回こそ話題になったものの開始から数か月、すでに存在を“忘れてた!”ということが逆にニュースになる展開だ。
とはいえ、実態はさておき、残業時間に関して「短くすべき」という空気は広がりつつある――と、感じている人も。
しらべぇ編集部では、全国の20~60代の有職者男女620名を対象に「1年前と比べて残業時間は多いか?」という調査を実施した。
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■ガリ勉とリア充は…
全体では15.5%が「多い」と回答。過半数の64.5%が「変わらない」、5人に1人の20.0%が「少ない」という結果に。
男女別では「多い」が男性15.1%で、女性が16.2%。わずかながら女性の方が「残業が増えている」状態。一方、「少ない」では男性18.7%に対して、女性は22.8%。
いずれにしても、女性の方がこの1年で労働時間に変化があるようだ。
また、特徴別データを見てみると
「残業が増えている」で最も多いのは、「ガリ勉だった」の34.4%。次いで「リア充だ」27.6%、「リベラルな自覚がある」21.1%。
リア充は、仕事とプライベートにメリハリをつけているだけでなく、「仕事を楽しんでいる」傾向があるので、さほど可哀想な感じはない。
しかし「ガリ勉だった」の3人に1人以上に、切なさを感じるのは、学生時代にみんなが遊んでいる時に勉強していたのは、「将来いい仕事に就いて、ラクして高い収入を得るため」ではなかったのか? というイメージのせいだろうか。
リア充も高い割合とはいえ、それよりもガリ勉経験者の方が「残業増えている」というのには、ついがんばってしまうガリ勉の“悲しいサガ”が見え隠れしている印象だ。
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■成長の維持を求められると…
実際に「残業が増えている」という人に、話を聞いた。
「残業は増えていますね。自分の場合はまだキャリアが浅いので、“できることが増えているから、仕事が増えている”と前向きに捉えることもできますけど、先輩とかを見ていると、このままがんばり続けられるのか? 不安になることもあります。
仕事が好きな方なので平気ですけど、同期の女子の中には『早々に結婚して、専業主婦はムリでもフルタイムは辞めたい』と、婚活に力を入れている子もいて、気持ちはわからなくもないです」(20代・女性)
「残業が減るとか、なくなるとか、今の状況では想像できないですね。(苦笑)会社は右肩上がりの業績を求めますし、そうした結果を出さないと、現状のポジションを維持できないような雰囲気じゃないですか。
現状を維持するのではなく、成長を維持しようと思ったら、経験値が増えたことでできる効率化だけでは補いきれない部分が、どうしても出てくるんですよね」(30代・男性)
労働環境に関する法制度が変わっても、企業が成長を維持しようとする姿勢に変わりはない。その中で「働き方」を改革するのは、なかなか簡単にはいかなそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・くはたみほ)
調査期間:2017年4月21日~2017年4月24日
対象:全国20代~60代の有職者男女620名(有効回答数)