性犯罪「被害者に責任追及」する風潮 「食い逃げと同じ」と批判も
「自衛しなかった女性にも非がある」とする風潮に、ネットでは異論を唱えるツイートが相次いでいる
連日のように様々な媒体で報じられる性犯罪のニュース。最近では、レイプ被害に遭った女性が、実名で被害を訴えた会見が注目を集めた。
そんな中、ネットでは「なぜ性犯罪は被害者に責任を追求する風潮があるのか」 といった疑問の声が相次いでいる。しらべぇ編集部では、そんな風潮に異論を唱える数多くのツイートの中でも、とくに反響が大きいものをまとめてみた。
■被害者の非よりも犯人の「理性」
「露出度の高い服装をしていた」や「抵抗しなかったから」など、なにかと被害者側の非を追求するような風潮に、ネットでは疑問と怒りの声が相次いでおり、そんな風潮に異論を唱えるツイートが多くのユーザーから支持されている。
https://twitter.com/kazukonanako/status/873471430804897792
女は露出してるからどうのこうの?????違うだろ?????お前は叶姉妹に欲情して襲い掛かりそうになるのか?吉田沙保里が露出してたらどうにかして襲おうとするのか?????違うだろ?????自分より弱そうでどうにかできそうだからだろ?????そこに理性は確かにあるんだよふざけんなよ
— グレコローマン梅子💋 (@Hsrn_blm) June 11, 2017
性暴力について女性も自衛しろマン、具体的にどういう状況を想定してるんだろうな……。普通に制服着て普通に登下校してる女子高生が常態的に痴漢に遭ったり変質者に襲われたりする社会だというのに、女性側がなんか自衛する余地があるのだろうか。全裸の深夜徘徊は辞めましょうとか?ねーよそんなの。
— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) June 11, 2017
レイプ犯は確実に相手を選んでいる、といった指摘や、性犯罪の縮図を「食い逃げ」と比較したツイートも反響を呼んでいる。
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■被害を訴えられない現状に嘆く声も
実名でレイプ被害を訴えた女性が、警察に何度も「処女ですか?」と質問されたことが報じられるなど、被害者女性の性的二次被害、「セカンドレイプ」の現状を嘆く声も。
よくレイプで「抵抗した形跡があったか」が争点になってるけど、私が出会った被害者はナイフ突きつけられてたって言ってたし、それでどう丸腰で抵抗すんの?みんな護身用のナイフとか所持した方がいいの?この国今も先進国なの?
— タビトラ (@tabitora1013) June 10, 2017
自分自身、性犯罪の被害にあった人には「警察には届けよう」って言ってきたし、適切な対応がされるとばかり思ってたけど、ここ最近の事例をみる限り、もみ消されてるんじゃないの疑惑があったりロクな説明もなく「処女かどうか」きかれたりのセカンドレイプで、この国で性犯罪を告発するの絶望を感じる
— タビトラ (@tabitora1013) June 10, 2017
https://twitter.com/k_norihara/status/873424686750720004
レイプ被害者に「処女ですか」と聞くのは処女だと傷害罪になるからという話があるんだけど、まぁ処女か非処女かで相手の罪が変わる自体、女をモノとしか見ていない証拠だよな。
— Đa Minh 加藤 Hiếu🌴 ព្រៃនគរ (@Tonbi_ko) June 8, 2017
レイプ被害者を診察することもあるという産婦人科医や、性暴力の被害者など、様々な人がそれぞれの立場から見た「性犯罪」の現状を訴えている。
また、捜査の過程での被害者女性の扱いに対する疑問の声も相次いだ。
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■20代女性の5人に1人は「レイプ未遂被害者」
しらべぇ編集部が全国の20~60代女性680名を対象に「レイプ被害にあいそうになった経験があるか」調査を実施したところ、20代の2割り近くが「レイプ被害にあいそうになったことがある」 と回答した。
「5人に1人」 という割合に、性犯罪の深刻さが伺える。
多くの被害者が泣き寝入りしている現状を受け、勇気を持って被害を訴えても「ハニートラップ」を疑われてしまう風潮に、危機感を感じている人は決して少なくない。
(文/しらべぇ編集部・もやこ)
対象:全国20~60代の女性680名(有効回答数)