「モノ」づくりと「コト」づくりを通して 日本酒の楽しさ、豊かさを体現する『菊水』
カップに入った『ふなぐち一番しぼり』でも知られる、新潟「淡麗辛口」の代表的な蔵元。
菊水酒造は、生原酒缶の『ふなぐち菊水一番しぼり』や季節限定のにごり酒『五郎八』といったユニークな商品を業界に先駆けて発売。幅広い飲み手から支持され、今や押しも押されもせぬ看板商品となった。
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■飲み手の笑顔がチャレンジの源泉
これらが発売された1972年当時、業界では生酒を市販する態勢や流通システムが確立されていなかった。そんな中、菊水酒造は容器をアルミ缶にすることで品質保持を実現。生原酒の通年流通という新たな風を市場に吹き込んだ。
当時はリスクでしかなかった生酒の販売を、柔軟な発想と進取の精神で解決。市場での販売を可能にしたのは、ほかでもない「お客様の声」だと菊地秀一取締役は感謝する。
「どうすればお客様が喜んでくださるか。その一点を常に考えるのが、菊水酒造のカルチャーなのです」。 「旨い」という飲み手の笑顔に出会うため、より良い酒を求めてチャレンジし続ける姿勢は、今も今後も変わることはない。
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■生酒のパイオニア、いまなお進化
ロングセラー商品の多くは、その「変わらぬ味わい」に惚れ込む飲み手によって支えられてきた。菊水酒造の商品もまさにそうだ。
しかし、時が経てば市場や飲み手の層は変わるもの。菊水酒造では「いつもの味」に一層の磨きをかけるべく、進化を重ねてきた。
たとえば、発売当初は二級酒だった『ふなぐち菊水一番しぼり』は、級別制度の廃止とともに本醸造酒にスペックアップ。
2017年には基幹商品のリニューアルを行い、原料米の規定に「新潟県産米100%」を設け、ラベルに表示した。
また、『菊水の辛口』や『菊水の純米酒』では、通常2度行う火入れのうち、搾った後のみ行う「生詰」を採用しており、今年からその表示もラベルに刻まれることとなった。
『菊水』を愛飲する人たちの期待に応える努力は、こうした小さな革新の積み重ねによって続けられている。