作詞家・松本隆、『サワコの朝』で音楽業界に「分業を考えたほうがいい」と指摘
松本隆が今後の音楽を語る
18日に放送された、『サワコの朝』(MBS/TBS系)に作詞家・松本隆が出演。
松本は『赤いスイートピー』や『ルビーの指環』など、数々の名曲を世の中に送り出した功績が讃えられ、3日に紫綬褒章を受賞した。そんな名作詞家が現代の音楽に物申した。
■これからの作詞家は?
音楽業界で47年間、作詞に携わり日本の音楽シーンを牽引してきた松本に阿川が「これから作詞家を目指す人は何をしたらいい」のか質問すると…
「ずっとシンガーソングライターの時代が続いちゃったからね。今までは、みんな自分で書いてるからやめたほうがいいと言っていた。
でも、冷静に考えるとシンガーソングライターでいい歌詞を書いてる人は10人くらいしかいない。それ以外の人は埋めているだけ。それだと、この先もたないと思う。また、分業を考えたほうがいいと思う」
と、作詞、作曲、歌う人の分業化が今後の音楽にも必要なようだ。さらに「それくらいしか、音楽に残された救済手段がない」と苦言を呈した。
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■大人向けの音楽を
世の中の移り変わりとともにダウンロード配信などがメインになり、CDが売れないなどの問題が音楽業界でも叫ばれるようなってきた。そんな世の中に松本は…
「今の音楽は若者向け。昔はピラミッドがあって、高齢者が少なくて若者が多かったけど、今は逆三角形になっている。
それなのに三角形の小さい部分をターゲットにしてるから売れない。一番大きいところをターゲットにしなければ意味がない。僕らの世代はお金を持ってるわけですよ、CDの一枚くらいすぐに買う」
と、語った。CDを買わないのは面白くないから買わないのであって、狙うターゲットを変えれば売れるチャンスは多くあるようだ。
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■ネット民も納得
ネットでは松本の意見に納得する声が目立っている。
サワコの朝、松本隆先生を見て思った。
これからは作詞家が、言葉が求められる時代だと思う。言葉への愛、こだわり、繊細さを大切に、日常的なものに命を与えられるよう、心を燃やして生きたい。— 芳菜江(Hanae) (@36hanae69) November 18, 2017
「逆三角形の、上の部分、ぼくらの世代の娯楽になるようなものをつくんないと」サワコの朝の松本隆さん。年齢を重ねて初めて見える景色や色もある。還暦過ぎるのが楽しみになってきた。
— おとじ (@otozie) November 18, 2017
#サワコの朝 松本隆
もっと大人が楽しめる音楽を作ったら売れる。年寄りが多い世の中だしお金持ってるし。今はティーン向けの音楽ばかりだから。(確かに)作詞作曲する人で歌詞がいい人は数えるほどしかいない。それ以外の人は埋めてるだけだからそれじゃ保たない。分業を考えた方がいいよ(なるほど)— ぼーの (@lanlannico) November 18, 2017
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■歌詞は気にする?
そこでしらべぇ編集部では、全国20〜60代の男女1,357名に「音楽を聴くのに歌詞の意味はあまり興味がない」と思うかどうかの調査を実施。
全体で見ると、歌詞の意味に興味がないことに「自分もそうだ」や「共感する」と答えた人は少ない。
しかし「理解はできる」と答えた人は39.5%もおり、歌詞の意味を重視しない人の気持ちを尊重する傾向もあるようだ。
最近では、ポップでリズミカルな曲が流行し、歌詞を気にしない若者も増えている。しかし、しっとりしたメロディで歌詞を楽しむフォークのような曲を作ることで音楽業界もさらに成長発展できるかもしれない。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代の男女1,357名 (有効回答数)