「電子辞書」を禁止していた教師は今どうなってる? 投稿に共感と疑問
紙の辞書にこだわり、電子辞書を否定する教師は懐古主義? それとも意外と正しい?
世の中の情報の多くがネットを通して得られるようになった今、かつてと大きく姿を変えたもののひとつは「辞書」だろう。昔は分厚い国語、英語の辞書をロッカーに入れたものだが、今では小さな電子辞書で完結するし、学校によってはiPadなどで済ます場合もある。
だが、そんな時代の変化をあまり好ましく思わない人も。はてな匿名ダイアリーに投稿された「電子辞書を禁止していた高校の先生をおもふ」というエントリーが話題になっている。
■電子辞書を否定していた高校教師
投稿者は10年ほど前に高校生だった人物。ある日、英語の授業中に電子辞書を使っていたところ、教師に「紙の辞書のほうが調べる途中で他の単語も目に入るしで、探している単語以外にも覚える」という理由で怒られたそう。
その教師は自分の考えによほど自信を持っていたようで、別の日に紙の辞書を使用している大学教授についての新聞記事の切り抜きまで持ってきたそうだ。
しかし高校卒業後に投稿者が浪人して予備校へ行くと、そこでは紙か電子かをわざわざ言う講師はおらず。使用していた電子辞書は理科や物理についても網羅されていたので重宝していたと言う。
そして10年が経ち、投稿者はこのように思うのだそう。「英語はもとより知らない言葉も百科事典使ってるのだろうか。Wikipedia,Google翻訳など使わずに紙の辞書をせっせとひいては付箋を貼るみたいなことをやってるのだろうか」と。
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■電子派からは称賛の声
この投稿に対して、他のネットユーザーから共感の声が寄せられることに。
・紙の辞書派の教師に、電子辞書だと履歴が残るからそこから復習しやすいことや、英英辞典へのジャンプがあることを説いたら、えらく驚かれ、以後電子辞書の利用が認められた思い出
・電子辞書でも上下の単語は見れるんだよなー
・紙でできることは大抵、電子辞書でもできるんだよなー。 画面が大きければなおよし。 つまり、タブレットに辞書アプリ入れるのが最強
中には…
・小学校の頃のシャーペン禁止も謎だったな 自分の若い頃へのノスタルジーなんだろうけど、それで体罰容認とかされると困りもの
と、電子辞書禁止が教師の懐古主義的な考えから生まれているとした上で、自分の経験を重ねる人の姿も。
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■「正しく調べる能力は大事」「ネットを信じるのも考えもの」
しかしながら、「紙の辞書は必要なくなっても、文献から正しく検索する能力は必要」など、一方では投稿者の考えに疑問の声をあげる人も。
・「紙の辞書」は必要なくなったけど「紙の辞書で目的の単語に素早く到達する能力」は不要になるどころか,ますます重要になってるんだよね。他の方法で身につけられればいいんだけど
・電子辞書とネットが混同されてるのが個人的には気になる。編集され責任を持って刊行される情報のデジタル化と、オープンソース的概念によるサイトや、インセンティブ目当てのCGM等が同じものに見えてるのかと
・将来調べ者を紙媒体でするときに、すばやく探し当てる力や根気強く探していく力を習慣として身につけるには紙媒体である程度は訓練しておくのは大事だと思う
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■7割が「わからないことはネットですぐ調べる」
何でもネットですぐに調べられる現代。しかし、「WELQ騒動」が示したように、出てくる情報が正しいとは到底言えないのが現実であり、だからこそ「正しい方法にたどり着く能力」が今まで以上に重要になってきている。
ちなみに、しらべぇ編集部では以前、「わからないことはネットですぐ検索する」人の割合を調査。その結果、全体の7割がここに当てはまった。
紙の辞書もネットも、当たり前だがそのどちらにも長所と短所が存在する。状況に応じて上手く使い分けながら、接していくのがいいのではないか。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
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