「どこでもドア」は犯罪の温床だった! 現役弁護士が名作アニメを法的に検証

『月曜から夜ふかし』にて、「アニメコンプライアンスチェック」なる調査が行われた。

2018/11/13 10:30


ドラえもん
(PeoGeo/iStock Editorial/Getty Images Plus)

12日深夜放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)にて、「アニメコンプライアンスチェック」なる調査が行われた。名作アニメを題材に、現代のコンプライアンスについて学ぼうという趣旨のコーナーだ。



■どこでもドアは犯罪の温床

過去の名作アニメを法的に解釈した場合、どのようなコンプライアンスに引っかかる可能性があるのか。現役弁護士の菊地幸夫氏が、現代の法律に照らし合わせて見解を述べた。

まず例に挙げたのは、歴史的/国民的人気アニメ『ドラえもん』(藤子・F・不二雄原作/テレビ朝日系/1979年〜)。22世紀からタイムマシンでやってきた猫型ロボットが、魔法のような機能を持つ未来の道具を駆使して活躍する、夢あふれる少し不思議な日常コメディだ。

菊地氏によれば、「『どこでもドア』というのがございますね。あれで違う国に行く。ちゃんと税関の審査を通らずに他の国へ行ってしまいますから、法的に言うと密出国ですね。出入国管理令法違反」だという。

これについては、誰しも頭の片隅をよぎったことがあるはずだ。番組では指摘されなかったが、主人公の野比のび太が級友・源静香が入浴中の浴室に同アイテムで乗り込むシーンもたびたび描かれている。

このケースなども、住居侵入罪や軽犯罪法違反、迷惑防止条例違反の可能性がある。野比は小学校4〜5年生という設定のため刑法については対象外であるが、こういった疑問を持って作品に接していた人は決して少なくないだろう。


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■ほかの名作アニメでも…

『巨人の星』(梶原一騎・川崎のぼる原作/日本テレビ系/1968年)には、主人公のライバル・花形満が球場へ車で乗りつけるシーンがある。菊地氏は「(花形が当時)中学生であれば、運転免許を所持していないはず」と指摘。「14歳以上であれば少年法の対象になってきますので、犯罪として成立する」とした。

ただし原作においては、公道のように見える場所であってもじつは花形家の私有地である可能性を匂わせる描写がなされている。あまり現実的な設定とは言えないものの、その前提であれば犯罪には当たらないと考えることもできる。

そして映画『ハウルの動く城』(宮崎駿監督/2004年)の城を住居と捉えた場合、「動くと欠陥住宅の疑いがある」が、「巨大なキャンピングカーのようなものと考えれば、住居ではなく車両である可能性もある」という。

「その場合は、曲がるときにウインカーを出さない、止まるときにブレーキランプがつかないのは道路運送車両法違反です」と断じた。

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