山開き前の富士山に軽装で登り救助要請 自力で勝手に帰宅した男性に批判が殺到
富士山で救助要請をしたにもかかわらず、自ら下山し帰宅したことに波紋が広がる
20日午後4時頃、まだ山開き前の富士山に登った20代男性が、警察に救助を要請。救助活動が続いていたにも関わらず、自ら下山して帰宅した。その行動には、ネット上では批判も目立つ。しらべぇ取材班は、その経緯について関係各所を直撃した。
■ガイドラインが定められている
富士山における夏山期間は、例年7月上旬から9月上旬。最近は7月1日に山梨側の登山道(吉田ルート)が開通し、10日に静岡側の3ルートが開通する。どのルートも登山期間は9月10日までだ。
それ以外の期間も登山することはできるが、環境省・静岡県・山梨県などで構成される「富士山における適正利用推進協議会」は、遭難事故を防止するために「富士登山における安全確保のためのガイドライン」を策定。
そこでは、「万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山禁止」や、登山予定日の1週間程度前までに「登山計画書」を地元警察などに提出することなどが義務付けられている。
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■警察が10数回連絡したが…
山梨県警に電話取材したところ、この男性からは「疲れて動けない」という通報があったという。救助隊員6人が、午後9時半頃まで富士山八合目付近で捜索を行ったが男性は見つからず、天候不良のためその日の捜索は打ち切り。
その後、警察は男性に10数回連絡したが、電話はつながらなかった。男性からは午後10時半頃警察に連絡があり、自力で下山し都内の自宅に戻ったことが分かった。男性はガイドラインで禁止された軽装で登り、同じく義務付けられた登山届も提出していなかった。
県警は「救助隊員が二次災害にあう恐れもあった」と話す。
静岡市消防局によると、救助(どこにいるか分かっている)の場合は、見つかるまで捜索を続けるそう。一方、遭難(どこにいるか分からない)の場合は、期間を決めて捜索にあたるそうだ。行政が捜索にあたった場合は、捜索費用が請求されることはない。
捜索が打ち切られた後、民間の捜索隊に依頼した場合は費用が請求される。