サントリービール西田社長、 岐路となる「酒税改正」で新規層流入狙う
ビール離れが顕著な近年。10月に行われる酒税法改正でビールが減税されるとあり、各社は追い風を掴む大きな岐路に立つ。
9日、サントリーが国内酒類事業2020年方針に関する記者会見を開催。10月に行われる酒税法改正を見据え、同社ビールの看板である「プレミアムモルツ」の強化を発表した。
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■止まらない“ビール離れ”
前年比98%に落ち込んだ国内ビール類市場。15年連続での前年割れとなり庶民の“ビール離れ”がより顕著になってきているが、10月の法改正で、ビールは減税、第3のビールは増税され、それぞれに追い風と逆風が吹く。
業界をあげてビール復権に取り組むこの好機、同社の西田英一郎社長は「いまのところは既存ブランドであるプレミアムモルツに磨きをかけていく」と力強くコメントした。
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■健闘する「プレモル」
市場が縮小する中、同商品は2019年に前年比101%の販売実績を記録しており、2020年も101%の成長を計画している。
そのキーとなるのが「神泡」によるブランディングだ。ビールを美味しくする秘訣として、きめ細かくクリーミーな泡「神泡」を前面に出し、家庭用には“神泡サーバー”を提供するなど、2019年は新規ユーザーの獲得に成功している。
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■2月にリニューアル
今年は東京オリンピック、パラリンピックによる飲用機会の増加、さらにはそれにまつわる訪日外国人の増加で一時的な需要増が見込める。
さらに酒税改正の追い風を受け、新規に強い「神泡プレモル」でさらなるシェア拡大を見込む西田社長は「これまで第3のビールや発泡酒を飲んでいた層が、『試しにビールを飲んでみようかな』という流れが生まれる。自信を持ってシェア拡大を成し遂げたい」と続けた。
2月には同商品と関連商品である「香るエール」のリニューアルを実施予定。おいしさと泡品質のレベルアップで、計画達成の第一歩を踏み出す。
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(文/しらべぇ編集部・キモカメコ 佐藤)