アマビエに続き『赤べこ伝説』が話題 「悪い病気を退散させる」との言い伝えも
アマビエに続く疾病よけの「赤べこ伝説」とは。その真相を追った。
「疫病を鎮静化する」と伝えられる熊本ゆかりの妖怪・アマビエが話題となったが、新たに「赤べこ伝説」がSNS上で、反響を呼んでいる。しらべぇ取材班は、この伝説を追った。
■病気の子供に赤べこを贈ったところ
ゆらゆらゆれる首に愛らしい顔立ちの赤べこは、福島県会津地方の民芸品の代表格。「べこ」とは牛のことで、今から約400年前、会津の殿様だった蒲生氏郷(がもううじさと)が、職人を呼び寄せ作ったのが始まりといわれている。
会津若松市史によると、昔、会津地方で悪性の疱瘡(ほうそう)が流行したときに、病気の子供に赤べこを贈ったところ、たちまち快癒したという。「赤色には強い呪術力があり、悪い病気を退散させる」という民間信仰がある。
そんな歴史から赤べこは、疾病よけの信仰玩具として珍重されるようになり、現在でも縁起をかついで、子供の誕生祝いや病気見舞いとして贈る人も多い。
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■赤べこ護符を限定配布中
そんな中、会津磐梯山のふもとに位置し、初代會津藩主保科正之公を祀る土津(はにつ)神社は、新型コロナウイルスの終息を願って、赤べこの護符を作成した。
アマビエが注目されていますが、福島県会津には「赤べこ」がいます。赤べこの由来に「平安時代に蔓延した疫病を払った赤い牛の伝説」があり無病息災の縁起物として愛されています。新型コロナウイルスの終息を願って護符を作りました。ご自由にDLください。みなさんの不安が少しでも和らぎますように。 pic.twitter.com/9ZFxQ4eYHa
— 土津神社‐こどもと出世の神さま‐ (@hanitsu_jinja) April 20, 2020
神社で配布すると、人が殺到し、3密になり、感染拡大となることを懸念し、今回はダウンロード限定となっている。
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■もう一つの赤べこ伝説
福島県柳津町役場によると、もう一つの赤べこ伝説があるという。1611年に会津地方を襲った大地震で、虚空藏堂をはじめ僧舎・民家が倒壊し柳津町も大被害を受けた。
震災後の1617年に初めて、虚空藏堂(本堂)は現在の厳上に建てられたが、本堂再建のため大材を厳上に運ぶのに大変困り果てていた。
そんなとき、どこからともなく力強そうな赤毛の牛の群れが現れ、大材運搬に苦労していた黒毛の牛を助け、見事虚空藏堂(本堂)を建てることができたとのこと。
なお、福島県内の新型コロナ感染者は、20日現在64人で、福島市・郡山市・いわき市などで発生しているが、会津地方では感染者が出ていない。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)