社民党・福島党首、補正予算案に賛成の方針 「10万円給付は野党の主張が実現」
現在、国会で審議が進む新型コロナウイルス対策を含む補正予算案。内容の一部は批判しつつも賛成の方針を示した。
衆参予算委で補正予算案が休日にもかかわらず審議されている29日、社民党の福島瑞穂党首が定例会見を行った。
福島党首は補正予算案について「あまりに少なくあまりに遅い。現在の命と暮らしを守ることに間に合っていない」と一刀両断。野党は家賃に関して立て替えと補助を盛り込んだ法案を提出したが、総理はこれから検討すると言っているが、遅いと苦言を呈した。
■大学生の8人に1人が退学を検討
さらに昨日(28日)、『FREE 高等教育無償化プロジェクト』に所属している大学生と話をしたことを披露。アンケートによると退学や大学を辞めると考えている大学生が全体で8人に1人ほどいるということを「深刻に受け止めざるを得ない」と感想を述べた。
「大学生をどうやって救うかとか学費について取り組むいろいろな施策があるはず」という福島党首が批判するのは、補正予算案に1.7兆円が盛り込まれている含まれる『GO TO キャンペーン』。
これは新型コロナウイルスが収束した後、旅行クーポン券で2万円を国民に配るというものだが、「いずれ収束した後に、こういう取り組みがあるというのはいいとは思うが、今、この補正予算案でやるべきことではない」と喝破。野党は予算の組み替えを主張している。
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■野党は医療従事者の危険手当を提案
福島党首は、「安倍政権が命と暮らしを守るという政治の基軸を決めて政策を打っていないということが、このような問題点になっている。『国民の命を守ってくれ』と言う声からは遠い中身で、問題がある」と安倍政権の姿勢を批判。
一方で野党は、「医療従事者の危険手当を盛り込んだ提案を動議として出している」と述べた。
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■補正予算案には賛成
福島党首は最後に政府補正予算案への態度について、「『今じゃないでしょ』という問題点もあり、もっとこれに重点的に予算を配分しなければならないという問題点もあるのですが、一人一律10万円給付するというのは社民党を含む野党が主張して実現したもの」と説明。
「これは国民の皆さんの一人一人の声があったからこそ実現できたもの。安倍政権の補正予算案には数々の誤りがあるし不十分とはいえ、10万円給付をはじめ早期に取り組むべき政策も盛り込まれているので、社民党は賛成です」と明らかにした。
ただ、社民党は第二次補正予算を組むべきという立場。福島氏は、「次なる施策がなければ、なかなか人の命は救えないと考えている」と語る。政府補正予算案は30日に与野党の賛成で成立する見通しで、次の焦点は第二次補正予算案にうつっていく。
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(取材・文/France10・及川健二)