農畜産物の大量盗難が話題 農水省は「何のために持っていくのか」と憤り隠さず
農畜産物が大量に持っていかれてしまっていると話題。いったい誰が何のために…
栃木県や群馬県などで、牛や豚、ぶどうなどが盗まれる事件が相次いでいる。8月下旬までに豚約680頭、子牛8頭が姿を消した。この事態を受け、農水省がSNS上で注意喚起を行っている。しらべぇ取材班は、担当課から現状と対策について、詳しく聞いた。
■正規市場に流通することはない
農水省は、牛や豚だけではなく、農産物や農機具の盗難も多発していると訴えている。
【ご注意ください】
生産者の皆さまが手塩にかけて育てた家畜や農作物、トラクター等の機械の盗難被害が発生しています。
農林水産省は警察庁とも連携し、盗難を防ぐポイント等を整理し注意喚起を行っています。生産者の皆さまにおかれましても、これらを踏まえて盗難被害に十分注意してください。— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) September 3, 2020
畜産企画課は、「子牛や豚を持っていく意図が分からない」と首をかしげる。まず、牛には、耳標と呼ばれる個体識別番号が付けられているため、どこの農家でいつ生まれたのかが、一頭一頭分かるようになっている。
そのため、盗難した牛が正規市場で売買されることはないという。また、牛も豚も食肉として流通するためには、と畜場で解体し加工すると法律で決まっているため、盗まれたものが食肉として流通することもないとのことだ。
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■犯人グループが直接食べているのか
犯人グループが直接食べている可能性については、「牛を出荷するためには、約2年から約3年かかる。子牛を食べても脂がないため、美味しくない」とのこと。
海外への持ち出しについては、世界的に家畜による病気の蔓延を恐れて、検疫体制を厳しくしているため、可能性的には低いという。