新型コロナワクチン“副反応”などの実態とは 接種した米国在住日本人医師に聞いた

感染者・死者ともに世界最多となっているアメリカ。オハイオ州の大学病院で勤務する医師が実際接種した新型コロナワクチンについて語った。

2021/02/17 07:00


新型コロナワクチン接種・米オハイオ州クリーブランド大学病院

いよいよ17日から日本で接種が開始される新型コロナワクチン。1月初旬からの緊急事態宣言の効果もあり、新規感染者数は減少しつつあるものの、日本では現在までの調査で抗体保有率が1%に満たず、「集団免疫」には程遠い状況。

そのため、ワクチンの集団接種には大きな期待が寄せられている。しかし、ワクチンに対しては不安や拒否感を抱く人も少なくない。そこで、しらべぇ編集部は、米オハイオ州クリーブランドの病院で勤務し、2月までに2回の接種を終えた日本人医師に取材。

副反応の実際や米国におけるワクチン接種の仕組みなどについて話を聞いた。


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■長い研究の歴史があるワクチン

現在、クリーブランドクリニックに勤務する樋口晃司医師(46)は、一時帰国していたが昨年7月に再び渡米。今年1月半ばと2月初旬の2回、モデルナワクチンを接種した。接種への不安はなかったのか聞いてみると…

樋口医師:アメリカに在住していてワクチンを早期に望んでいましたが、いざ出てきて承認がとても早かったので(この状況を考えると仕方ないところはありますが)、不安はもちろんありました。「しばらく様子を見てから打とう」などと正直自分も不埒に考えていました。


しかし、米FDAでの承認においては、もちろんすべてのデータが公開されその上で極めてオープンな議論が交わされました。審議の様子はオンラインでも中継され、アメリカの本気度が伝わってきました。


また、技術への信頼性についても語る。

樋口医師:今回米国で承認されたファイザーとモデルナのワクチンは今まで皆さんがおそらく馴染みのないmRNAワクチンというもので、漠然とした不安はあろうかと思います。


しかしながら、mRNAワクチン(ファイザーとモデルナワクチン)にしても、日本でライセンス生産が予定され日本でも接種がなされるであろうアストラゼネカ社のベクターワクチンにしても、今までの長い研究の歴史があります。「ぽっと出の新しい技術ではない」ということです。


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■二回目の副反応は強め

すでに二回の接種を済ませた樋口医師だが、副反応はどのようなものだったのだろうか。

樋口医師:ワクチン接種後の副反応は人によって違いますので、あくまで私の経験として捉えていただけたらと思います。自分が受けたのはモデルナです。両方とも筋肉注射ですので接種の痛みはほぼゼロでした。


一回目の副反応ですが、接種後だいたい6時間くらいすると、腫脹はあまりありませんでしたが、接種した部位にやや強めの痛みが出ました。痛みは次の日には良くなってそれから何ともなかったです。


4週間空けて接種した二回目の副反応は一回目と比べると強めでした。6時間後くらいから接種した腕の痛みが出始めて、二日間腕が上がらなかったです。


接種後12時間後くらいからインフルエンザ様の全身の倦怠感と悪寒、頭痛等が出始めてそれが二日間続きました。その後は何ともないです。

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■アナフィラキシーは極めて少ない
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