自爆テロで60人以上死亡のアフガン・カブール空港 難民国外流出の第二ステージへ
国外脱出を求める人々が殺到していたアフガニスタンの首都・カブール空港付近で爆発。60人以上が死亡し、自爆テロと見られている。
アフガニスタンの過激化武装組織・タリバンの首都・カブール「制圧」による、アフガン戦争「勝利宣言」(8月15日)から2週間。26日には、カブール空港付近で爆発が起き、米兵12人を含む60人以上が死亡したと報じられた。
イスラム国(IS)がインターネットで声明を発表したため、IS系勢力による自爆テロと見られている。元自衛官の佐藤正久参院議員も、27日朝、現地の状況についてツイートした。
カブール空港での2度の爆発、自爆テロは、タリバンの空港東側のチェックポイント近くのアビー門とバロンホテルでの近くで発生。
佐藤も何度かカブール空港を利用したが、写真のように、北側が軍用、南側が民航用に分かれている。南側に多くの群衆が押し寄せている状況。前回の銃撃戦は北側で発生。 pic.twitter.com/c9vOCDjXBw— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) August 26, 2021
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■6万人が脱出
米国同時多発テロ後の戦争から退いた米英軍などが撤収を本格化する中、カブール国際空港にはタリバンの「恐怖政治」からの解放を求め、国内脱出を図る民間人、アフガン政府・軍協力者らが殺到していた。
事態は、戦争終結以降、8月30日までの期限内に「残る大量難民を無事、いかに移送し終えるか」という第二ステージに入った。
タリバンは米など侵入国に対し「9月に延長すれば、挑発・仕返しが待っている」と警告。これを受け、アフガン政府崩壊以来、既に約6万人(25日現在、ワシントンポスト紙)が近隣国などに脱出した。
退避希望者は今後さらに増え、日本の自衛隊も邦人保護のため輸送機3機を派遣。日本政府から農業、教育整備など世界トップレベルの援助を受けるアフガニスタンの在日関係者は、国外脱出に「情けなく、悔しい」と母国の惨状を憂え、一刻も早い内政安定を祈る。
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■総犠牲者数は約17万1千人
NATO同盟軍によるアフガン侵攻(戦争)の発端は、タリバンが多発テロの首謀者、ウサマ・ビンラディン容疑者(2011年5月殺害)を匿い、引き渡しに応じなかったため。
米の公共放送・VOAによると、戦費は約1兆ドル、犠牲者数は人道支援者、ジャーナリスト、民間人、敵のアフガン人兵士を含め17万1,336人に上る。