日中国交正常化50年、大国化する中国 裏切られた日本の期待は…
29日で日本と中国の国交正常化から50年。日本は中国の民主的発展を期待してきたが、それは裏切られた…。
今月29日で日中国交正常化からちょうど50年となる。50年前、中国の経済力、軍事力は日本と比較しても圧倒的に弱く、中国は日本からの経済援助を必要としていた。
■裏切られ続けた日本の中国への期待
中国が政治的要求を日本へ突き付けてくることも少なく、日本からの援助がほしい中国と、中国の民主的、平和的発展を期待する日本の関係はまさにウィンウィンだったといえる。しかし、そういった日本や米国の期待は中国が力を付けるごとに裏切られるようになる。
1989年6月の天安門事件の際、欧米は中国に対して一斉に制裁を実行したが、その中でも日本は中国との友好関係を重視し、制裁には踏み切らなかった。だが、その後も民主的発展の兆しは全く見られず、民主化はしないが大国への道を歩み続ける中国への警戒は高まっていった。
関連記事:日中関係悪化は不可避 今後中国では日本人が逮捕されるケースが相次ぐか
■高まる中国への警戒心
昔、パンダといったら正に日中友好の証だった。しかし、今でもパンダはパンダで人気があるものの、そこに日中友好を意識する人は今では殆どいないのが実態だ。要は、それだけ働く世代、若い世代を中心に中国への警戒心が高まっているのだ。
民主的発展を遂げると期待した日本や米国の期待が裏切られる中、中国はそれを全く気にしないように経済発展を遂げた。2010年あたりにはとうとう経済力で日本を抜き世界第2位となり、今日では中国の経済力は日本の4倍とも5倍とも言われ、その差はどんどん開いている。今後、2030年代、2040年代には米国を抜くとも言われており、この50年間で日中の力関係は完全に逆転した。
関連記事:韓国・ユン大統領の就任から4ヶ月 日本はどこまで彼を信頼できるのか
■今後50年の日中関係は…
そうなれば、昔は中国友好を重視する意見が多かった一方、今後日本国内で中国脅威論がいっそう強まることは避けられない。これまでの50年間の日中友好とは、どちらかといえば、“日本がリードする形で作られた友好”関係であり、そこには友好や期待のイメージがあった。
しかし、今後50年間の日中関係は“中国が主導する形”で展開される可能性が高く、脅威論が日本で先行する中、果たしてそこに友好の文字があるかどうかは全く不透明といえよう。
・合わせて読みたい→ユン大統領就任で今後の日韓関係の行方は… 改善を望む岸田首相との思惑
(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)