茂木健一郎氏、“不幸”の捉え方に持論 「個性があるって考えたら意外と…」

茂木健一郎氏が、トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の思想を取り上げ、“幸福度”や“不幸の捉え方”についてコメントした。

2022/12/13 11:10


茂木健一郎

脳科学者の茂木健一郎氏が、12日放送の『ABEMA Prime』(ABEMA)に出演。国別の幸福度ランキング調査に触れ、不幸であることの捉え方について持論を述べた。



■日本は幸福度ランキング54位

国内外で「あなたは幸せですか?」と聞かれる幸福度調査が行われている。ある調査では、国別の幸福度が比較されたランキングが発表され、日本は54位という結果に。これは、先進国の中では低い順位であるという。

番組では、幸福を計る基準などについて議論が行われた。幸福度研究を行っている大学教授の高橋義明氏をゲストに招き、見解を求める。


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■海外との比較に疑問符

高橋氏から幸福度の指標に関することが話されたあとに茂木氏が発言。はじめに、「脳科学でも、やっぱり幸福っていうのは当然興味のある対象なんですけど」と、自身の研究分野にも関連することであると伝える。

関心はあると言うが、「例えば『幸福』と『ハッピー』と『グリュックリッヒ』とか、各言語による幸福に相当する言葉のニュアンスもちょっとずつ違ったりするんですよね。だから国際比較ってあんまり意味がない気がして」と、言語によって違いが生まれることを理由に、海外との比較には疑問符を浮かべた。


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■“不幸”を“個性”と捉える

議論が進むと、幸福度をランキング化する意義などがテーマに上がった。終盤になると茂木氏は、ロシアの思想家レフ・トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』を取り上げてコメント。

「まあでもさ、トルストイがさ『アンナ・カレーニナ』でさ「不幸の姿は1人1人違う』って言ってるじゃん、冒頭で」と不幸に言及した記述を思い返し、「幸福じゃなくても、そこに個性があるって考えたら意外とよくない?」と、不幸を個性として捉える見方を提案。


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■個性を尊重

また、「『ここは不満だ』とか、それが個性だっていうのはトルストイが言ってるよね」と、トルストイの思想に触れて、「不完全でいいじゃん」と、前向きに考えようとする態度を示した。

茂木氏はこれまでにツイッターで、「分数の計算ができなくても、英語がわからなくても、漢字が書けなくても、それは脳の個性で『バカ』ではない」「長所と欠点が表裏一体となった個性を、100人いたら100人違う方向にのばしていく」と、人それぞれの個性を尊重する発言をしている。

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(文/Sirabee 編集部・栗原コウジ

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