NGT48卒業発表・中井りかの評価が高い理由 アイドル力・多才さ・義侠心
指原莉乃をも凌いだ中井りかの快進撃と、NGT48事件後の義侠心と多才性を考察。
先日、NGT48の中井りかがグループの卒業を発表した。非常に特異なアイドル人生を背負った中井のこれまでと今後を考察したい。
■指原を超える快進撃
中井が最初に頭角を現した場所は『SHOWROOM』で、『SHOWROOM AWARD 2016』では、「BEST AKB PERFORMER」を受賞。中井は類稀なトーク技術を有している。
中井は多くのファンも獲得し、NGTのデビューシングル『青春時計』ではセンターを務める。さらに中井は深夜バラエティ『白昼夢』(フジテレビ系)などを開始。ここまでの快進撃は指原莉乃でもなかった。
指原の地上波初冠番組『さしこのくせに』(TBS系)は、司会の土田晃之にバラエティを教わる形。一方、中井の『白昼夢』は共演のいとうせいこう氏とともに、最初から間口の広い番組として設計されている。
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■中井のバラエティ能力
中でも、秋元康氏と今をときめく佐久間宣行プロデューサーが手掛ける夕方からの生放送帯番組『青春高校3年C組』(テレビ東京系)の経験は大きなもの。
中井は同番組に副担任として全曜日に登場し、実質的なMCだったのだ。曜日替わりMCのおぎやはぎに、中井の進行が明石家さんまのテンポのようと評されることもあった。
佐久間氏の躍進も中井の貢献が大きく、中井がメインの『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)に佐久間氏を度々呼んだことがきっかけだ。
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■NGT48暴行事件
中井の快進撃を止めたのは、NGT48暴行事件だった。とはいえ、中井がこの事件に関わっていた痕跡はなく、同事件を追及する人々からも中井の名誉回復が必要だと考えられているほどである。しかし、中井はこれまでの番組を全て似たような時期に失う。
NGT自体は、中井をはじめ、「選抜総選挙」で4位の荻野由佳や、事件後を支えた本間日陽などを抱え、個性的なメンバーが多く、勢いのあるグループだった。
しかし、 NGT事件では特段の根拠もなくメンバー全体が非難され、活躍の機会を失い、全てのメンバーが被害者となった事件となる。
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■事件後の中井
近年、中井は自身のアパレルブランド『Recandy(リーキャンディー)』を軌道に乗せたり、日本海側を旅する番組『ふわり愛』(山陰放送系)を開始したりと、徐々に活動も活発化させてきていた。
NGTとしても中井は、グループ内ユニット『CloudyCloudy』(クラウディクラウディ)をプロデュースするなど、後輩も増え、より結束力の高まるメンバー達を、多彩な才能を活かして導く。事件後もNGTに長く在籍し、大きくつまづいてしまったNGTを何とか立て直したいとする義侠心が窺えた。
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■「バス旅」での活躍
最近の中井のメジャーな活動といえば、『ローカル路線バス VS 鉄道 乗り継ぎ対決旅』(テレビ東京系)に何度か出演していることだ。
中井は、太川陽介のチームに参加し、太川を鼓舞し、同チームのみなみかわとも小競り合いしながら番組を盛り上げた。中井は「鬼軍曹」こと村井美樹の技術も駆使し、「リトル鬼軍曹」の称号も得る。天性のバラエティ力は健在だ。
■中井りかのポテンシャル
元NMB48の渡辺美優紀に憧れて、アイドルを目指したその先の目標に特段のものはないのだろう。しかしながら、中井はかけがえのないファンとのつながりを意識し、芸能界に残ることを宣言した。
ヒコロヒーら実力派女性芸人の台頭、指原ら女性バラエティタレントの活躍、霜降り明星ら第7世代芸人の台頭と、若手実力派女性アイドルがテレビで活躍する余地は拓け始めてきている。中井の天性のタレント能力が自然と花開くチャンスも、十分に期待できるだろう。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)