『タイタニック』で涙した直後、新章描く『シン・タイタニック』を見たガチ感想
先週末『タイタニック』が放送。いやぁ映画って本当に素晴らしいものですね…ところでみなさん「シン・タイタニック」をご存知ですか?
不朽の名作『タイタニック』が映画番組『土曜プレミアム』(フジテレビ系)で1日放送され、多くの視聴者を感動させた。そんな中、ネットでは『シン・タイタニック』という聞きなれないワードが密かに耳目を集めている。
【あわせて読みたい】映画スラムダンク、原作を1ミリも知らない地雷系女子の「意外すぎる批評」
■約110年前に起きた「悲劇」
1912年、当時世界最大の客船であったタイタニック号が北大西洋上の氷山と衝突し沈没した。この実際に起きた事故をモデルに、画家を目指す貧しい青年・ジャックと、没落した一族を守るため富豪との婚約を余儀なくされたローズとの、刹那的出会いを描いた映画が『タイタニック』(1997年公開)だ。
愛し合い、ギリギリまで助け合う二人。さらに、事故後船内でパニックになる者、少しでも多くの乗客を救うため命がけで動く者、そして現実を受け止め静かに最後の時間を待つ者……そんな乗客、船員一人ひとりの人間ドラマも見どころの一つで、CGやセットを巧みに駆使した映像美も高く評価されている。
関連記事:フジテレビ『タイタニック』放送にさまざまな声 「理不尽」「仕方ない」
■「シン・タイタニック」
放送後、ネットでは「毎回涙が止まらなくなる」「大号泣。ジャックを愛せて良かった」「タイタニックのことを考えると永遠に胸が苦しい」「ほんとにタイタニックこそThe名作」と心を打たれたファンの書き込みが殺到。
一方で、「ところで2022年に公開されたシン・タイタニックはどうなの」「そしてタイタニック2とシン・タイタニックへと繋がる」というつぶやきも散見された。
『シン・タイタニック」…何やら不穏な雰囲気がするこの作品は、2022年に公開されたアメリカB級映画で、原題は『Titanic 666』。監督も違えば、制作会社も『タイタニック』とは違い、もちろん庵野秀明監督が手掛けた『シン・エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』などのシン・シリーズとも無関係である。
関連記事:米潜水艇事故で酸素のリミット迫る 中川翔子も心配「奇跡願っています」
■タイタニック「3号」が華々しく登場
DVDパッケージに「伝説は再び、現実となる」「史上最も有名な海の悲劇の“新章”を描くパニック大作」と若干続編感を匂わせているようにも感じる。
記者は『タイタニック』視聴終了後、涙も乾かぬまま間髪入れずこちらを見てみた。ジャンルを見ると、本家がロマンス映画なのに対し、『シン』版は“スーパーナチュラルホラー”なる聞きなれないジャンルとなっている。
以下、絶妙にネタバレを避けつつ大まかにあらすじを説明する。
タイタニック沈没事故から110年が経った年、初代タイタニックを再現した最新鋭の豪華客船・タイタニック3号が処女航海に出ることになった。ジャックとローズは……ではなく、1,000万人ものフォロワーを抱えるインフルエンサー夫婦のジャクソンとミアが陽気にカメラを回しながら船内を散策する中、船は沈没現場海域に到着する。
船内で次々発生する奇妙な出来事、そして事故。船は制御不能状態になり、気が付くと目の前には巨大な氷山が…。
関連記事:米国の潜水艇事故で“あのアニメ”シーンが話題に 「予言過ぎて洒落にならない」
■新解釈が過ぎる…
海外版のトレーラームービー(予告動画)には、亡霊のような姿になった初代船長エドワード・スミスの姿もある。ホラージャンルで、死んだはずの船長の姿。…映画通にはピンときたかもしれないがそんな内容であり、本家の重厚感や感動の人間ドラマより、恐怖と不気味さに全振りしている。
実際に起こった悲劇をここまで勝手に発展させていいのかという罪悪感すら覚えたが、その突き抜け感、さらに上映時間91分(本家が194分)とさっくり見れるという特徴もある。
本家『タイタニック』を見た感動の余韻は見事吹っ飛んだが、『トランスモーファー』『パイレーツ・オブ・トレジャーアイランド』『リンカーンvsゾンビ』など他社ヒット作を意識しまくった作品を次々投下している映画会社・アサイラムらしい映画だったとも思える。
・合わせて読みたい→米国の潜水艇事故で“あのアニメ”シーンが話題に 「予言過ぎて洒落にならない」
(文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)