炎天下の高校野球「甲子園大会」に問題は? 4割が時間変更、3割は秋以降開催を求める
現在、地方予選が進む夏の高校野球。温暖化が進む今、炎天下の甲子園で試合をするのは厳しく見えるが…。
夏の高校野球「甲子園大会」に向けた予選が、全国各地で進んでいる。夏の甲子園といえば、夏休みの風物詩。今回で105回目となる大会では、汗と青春のさまざまなドラマが繰り広げられてきた。
■気温は100年前から2℃以上上昇
しかし、100年前と大きく異なるのは、地球温暖化に伴う日本の気候だ。甲子園大会が始まった1915年、甲子園球場がある西宮市に近い神戸市の8月の平均気温は27.0℃。一方、2022年は29.2℃と2.2℃も上昇している(気象庁発表データ)。
灼熱の太陽のもと、汗まみれになって闘う球児たちの姿は、たしかに美しくはある。しかし、プロでさえ夏季は週末でもナイトゲーム中心になる野球。真夏の昼間に直射日光の下でやる方式に対して、世間はどのように考えているのだろうか。
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■「現状のまま」はわずか2割
Sirabee編集部が、7月18〜21日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に「夏の甲子園のあり方」について調査したところ、最も多かった答えは「試合を午前と夕方以降にすべき」で29.7%。
時間変更については、「全てナイトゲームにすべき」も8.3%見られた。一方、時期や場所を変更すべきという意見も少なくない。
「秋以降に開催すべき」は26.9%で、「朝・夕方以降のみ試合」に次ぐ勢力に。また、屋根のない甲子園球場にこだわらず、時期はそのままでドーム球場開催にすべきという答えも、15.2%見られた。
「現状のままで良い」という回答は19.9%にとどまり、じつに8割以上が現在の開催方式には問題があると感じていることがわかった。
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■女性はとくに厳しく
今回の調査結果では、男女での意識差も目立った。男性で女性より有意に多かったのは「ナイトゲーム派」。また、「現状のまま」も4人に1人を超えている。
一方の女性は、「午前と夕方」「秋以降」がともに3割超え。現状のままで良いという人はわずか15.0%だった。
歴史ある野球の世界は変化が遅いように見られるが、地球温暖化は着実に進んでいる。甲子園大会が変わることはあるのだろうか。
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■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)