月9から恋愛ドラマが激減、一体なぜ… 令和の「ラブストーリー制作」の裏事情
『真夏のシンデレラ』は、「月9」で7年ぶりの恋愛ドラマになる。同枠でラブストーリーが減った理由は…。
毎週月曜日21時から放送中のドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)が好評だ。「月9」らしい王道のラブストーリーに注目が集まっている。
ここ数年、「月9」で恋愛をテーマにした作品は激減していた。月曜日の夜、恋愛ドラマが消えた理由は…。
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■7年ぶりの王道ラブストーリー
『真夏のシンデレラ』は、真夏の海を舞台にした男女8人の恋愛群像劇。海辺で育った女性達と一流大学卒の男性達が、学歴や環境が異なりながらも、自分らしく仕事や恋愛に前向きに行きていく姿を描いたもの。
森七菜演じるサップのインストラクターをするヒロインと、間宮祥太朗演じる有名建築家を父に持つ大手建築会社勤めのエリートサラリーマンが互いに惹かれ合っていく。
「月9」の王道ラブストーリーだが、同枠で恋愛を題材にしたドラマが放送されるのは、2016年の『好きな人がいること』以来7年ぶりだ。
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■最近の「月9ドラマ」の傾向
「月9」といえば、91年の織田裕二と鈴木保奈美による『東京ラブストーリー』や96年の木村拓哉と山口智子による『ロングバケーション』に代表されるように、多くの恋愛ドラマを生み出してきた。
「月曜の夜は街からOLが消える」と囁かれるほど、90年代に社会現象となった。しかし最近は、同枠での恋愛ドラマが激減していたのだ。
あるテレビ局関係者は、近年の「月9」の傾向をこう分析する。「2018年の『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』や19年の『監察医 朝顔』、21年の『イチケイのカラス』など、警察、医療、裁判をテーマにした作品が増えていました。内容としては、1話の中で事件が起き、解決していくのを繰り返す『1話完結型』が多い印象です」(テレビ局関係者)。
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■恋愛ドラマが減った理由は…
なぜ、「月9」から恋愛ドラマが消えたのか。前出のテレビ局関係者が続ける。
「フジテレビに限らず、2000年代以降、テレビドラマを視聴する習慣が薄れました。特に、恋愛ドラマの主要視聴者層である若い世代がドラマを見なくなってしまったんです。テレビ局は幅広い世代に馴染みのある警察や医療をテーマに、途中からでも視聴しやすい『1話完結型』のドラマを作るようになりました。月9も、そうした流れに対応したのでしょう」(前出・テレビ局関係者)。
令和になって、ますます「若者のテレビ離れ」が囁かれるように。「月9」で恋愛を取り上げるのは簡単なことではないようで…。
「恋愛ドラマは、昨今の『1話完結型』を重視する業界の流れと相性が悪いんです。ラブストーリーは男女が知り合うところから徐々に関係を深め、最後に結ばれるという流れなので、1話ですべて終わらせるわけにはいきませんからね。今回、王道ラブストーリーを復活させたところに、フジテレビの挑戦する姿勢が窺えます」(前出・テレビ局関係者)。
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■ネット上でも「復活」を喜ぶ声
今回7年ぶりに「月9」で恋愛ドラマが放送されたことは、ネット上でも話題に。
「王道中の王道な展開+斬新さで結構楽しんでる」「主題歌エンドレスで聴きたくなるし、今期好きなドラマ上位」「久しぶりに夏の月9王道ラブストーリー来てくれてほんとに嬉しい」「分かりきってる懐かしいストーリーだけど、ついつい観ちゃう」など、歓喜の声が多数あがっている。
若い男女が繰り広げる甘酸っぱいストーリーが、たくさんの人の心を掴んだのかもしれない。
前出のテレビ局関係者は、今後の「月9」についてこう推察する。「90年代のように、1年間で4作中3作恋愛ドラマを制作するのは難しいかもしれません。ですが、2~3年に1回など、以前のように『定番』ではなく、『変化球』として放送すれば、珍しく感じて食いつく視聴者も多いと思いますよ」(前出・テレビ局関係者)。
『真夏のシンデレラ』を機に、「月9」で恋愛ドラマが放送される機会も増えるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)