痛いのは人間だけ!?「産みの苦しみ」出産のヒミツに迫る
■「お産=痛い」は人間だけ!?
人の陣痛が開始してから出産までを分娩時間とすると、平均15時間もかかるという。哺乳類の中で、こんなに痛い時間が長いのは、人間だけと言われている。
人間に近いチンパンジーと比べても、約2倍も長い。他の動物たちと比べると、より差は明確だ。
たとえば、ウサギは草を食べながら、何ごともなかったかのように多産することで有名。ちなみに、雑誌「プレイボーイ」のシンボルマークがウサギなのはウサギがよく繁殖することに由来する。
また、犬もお産が軽いことが知られている。これにちなんで、「戌の日」に安産祈願をしたり、妊婦がお祝いしたりする文化もあるくらいだ。
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■「どれくらい成熟してから生まれるか」は動物によってそれぞれ!
生まれたばかりの人の赤ちゃんは、もちろん歩けない。未熟な状態で生まれてくるのだ。シカは生まれた直後から走り回るし、牛も生まれてから1時間もすれば自力で立ち上がれるようになる。
このように、「どれくらい成熟してから出てくるか」は動物によってかなり違う。
パンダは、母パンダの0.1%の重さで生まれてくると言われる。かなり小さいので、大量の赤ちゃんパンダがコロコロと動いている画像に癒されたことがある人も多いはず。
ゾウの妊娠期間はなんと約640日で約80kgの赤ちゃんが生まれてくる。生まれたてですでに、人間の女性の大半より重い。
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■なんで人間だけ痛いの? 二足歩行のデメリット
直立歩行できる体の構造と肥満、赤ちゃんの頭の大きさが、主な要因だと考えられている。
たしかに常に直立歩行するのは人間だけなので、人間だけ特に難産なのも納得がいく。人間以外の動物の産道のほとんどは、スルッと障害なく通り抜けられる構造になっているが、人間だけはS字カーブのようになっていて簡単には出て来られない。
これは二足歩行のためにお尻や太ももあたりの筋肉が発達したことで通り道が細くなってしまったことなどが関係している。出産に限らず、二足歩行は実はデメリットが多い。
腰痛や胃下垂は二足歩行するための体の構造のせいで起きていると言われている。
難産になってしまうS字構造に加えて、現代人はさらに、その狭い産道に脂肪を蓄えてしまっている。出産の観点からも、太り過ぎは良くないようだ。
赤ちゃんの頭の大きい動物は難産の場合が多い。産道を通り抜けるときに苦労するからだ。犬の中でもパグなどに難産が多いのはこのためだ。
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■男性が疑似体験すると・・・
「男性は出産のときの痛みに耐えられない」と、よく言われる。実際、You tubeでは、出産を疑似体験できる装置を身につけた男性が、激痛に耐えられず絶叫している動画を見ることができる。
疑似体験装置が妊娠の激痛をどれくらい再現できているかは分からないが、周りに出産を控えている女性がいる方は、どうか優しく接してあげてほしい。
(文/しらべぇ編集部)