世界一のスターなのに日本人の90%以上が知らない…R. Kellyという存在
世界的なスーパースターでありながら、日本ではなぜか知名度が低い。そのような海外スターは数多くいるが、シカゴ出身のR&B歌手、R.ケリー(R. Kelly)ほどその言葉が当てはまる人物はいないかもしれない。
米ビルボード誌が2010年に発表した「The Top 50 R&B/Hip‐Hop Artists of the Past 25 Years(この25年間で最もヒットを生んだR&B・HIPHOPアーティスト トップ50)」において、マライア・キャリー、ホイットニー・ヒューストン、ジャネット・ジャクソンといった名立たるアーティストをおさえ堂々1位にランクされたR.ケリー。
90年代から2000年代、そして2010年代に至るまで常に先頭を走り続けてきた、文字通り“ブラックミュージック界のNo.1スター”なわけだが、日本での知名度は不思議なほど低い。以下のアンケート結果をご覧いただこう。
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■R. Kelly(R.ケリー)というアメリカの歌手の楽曲を1曲でも知っていますか?
これは、全国20代から60代の男女計1671名を対象に行ったアンケート。数字は以下のようになっている。
これまで発売した12枚のオリジナルアルバムがすべて米ビルボードチャートでトップ10入り(うち、最高位1位が5枚、2位が3枚)するという驚異的な記録を出してきたR.ケリーだが、その曲を1曲でも知っているという人は1割にも満たなかった。
「知っている」という人の割合を年代別にみても、
となっており、20代・30代でもおよそ9割は彼の楽曲を1曲も認識していないことがわかる。
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■R.ケリーって、どんなアーティスト?
全米12週連続1位を記録した1994年の『Bump n’ Grind』、3部門でグラミー賞を獲得した1996年の『I Believe I Can Fly』、セリーヌ・ディオンとデュエットし全米1位を獲得した『I’m Your Angel』…。代表曲は挙げればキリがないR.ケリーだが、なぜ日本ではほとんどの人にその作品を知られていないのだろうか?
その要因分析がわりに、彼の音楽性の特徴を2点挙げてみよう。
●過激な性描写
R.ケリーはしばしば、「性と聖を歌うシンガー」と言われる。美しいゴスペルやSOULミュージックを歌う一方で、タイトルからして直球な“性”をテーマにした曲も数多くリリースしているのだ。
初期のヒット曲には『Sex Me』(1993年)、最近のアルバム曲では、『Crazy Sex』なんてタイトルの楽曲も…。そもそも、同曲が収録されたアルバムのタイトルが『Black Panties』(黒いパンティー)だ。
翻訳され海を越えて日本に伝わってくるには、少し過激すぎるのかもしれない。
●あえて歌唱力やメロディを引き立たせない音楽性
R.ケリーは、反復するトラックにあわせて喋るように、つまりラップするように歌うスタイルで知られる。2003年の全米2位の大ヒットシングル『Ignition(Remix)』で顕著に見られるそのスタイルは、HIPHOP隆盛の時代でも広く支持され、彼の息の長い活躍を助けたといえるだろう。
かといって、R&B歌手としての本来の歌唱力や才能に欠けるというわけでも、もちろんない。人気を得はじめた90年代初頭は、“ニュージャックスウィング”隆盛の時代に合うメロディアスな名曲を多くヒットさせ、またマイケル・ジャクソンの『You Are Not Alone』(1995年)を筆頭に、他アーティストへの楽曲提供でも活躍した。
つまり、時代の流れを敏感に察知し、それにあわせて自身のスタイルを最適な形で表現する非常に器用なアーティストなのだ。
そんな天才アーティスト、R.ケリー。まだまだ彼の時代は続いていくだろう。
(文/しらべぇ編集部)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年5月22日~2015年5月25日
対象:全国20代~60代男女計1671名