「Dating」という言葉に表れるアメリカ人の恋愛観…日本人感覚だと浮気?
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日本でも人気の海外ドラマ『SEX AND THE CITY』のシーズン1・第7話、主人公のキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)が、順調にデートをかさねていた男性に同じようにデートを繰り返す他の女性がいることを知り、嫉妬するシーンがあります。
日本人の感覚では「浮気だ!」と思いそうなところですが、海を越えれば文化も変わるもの。アメリカ人である彼のこの行動は、浮気ではないのです。
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この場合、キャリーと男性の関係性は、「Dating(デーティング)」という言葉で表現されます。“Boyfriend”や“Girlfriend”のような恋人同士の関係ではないんですね。
日本人には馴染みの薄い、この「Dating」という概念。海外のドラマや映画を見ていて、「あれ、この人たちって付き合ってるんじゃないの?」と疑問に思ったことがある人も少なくないでしょう。そう思えるような関係性は、だいたいの場合「Dating」で説明することができます。
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■「Dating(デーティング)」とは?
Datingとは、言葉の通り「デートをかさねる関係」のことです。ふたりで映画を観に行ったり、食事に行ったりする間柄ですね。恋人関係では“まだ”ありません。日本語にあてはめるとしたら、「友達以上恋人未満」となるでしょうか。
このDatingの期間では、冒頭の『SEX AND THE CITY』の話のように、デートする相手がひとりだけとは限らない場合もあります。よって、女性は真剣に“Girlfriend”になりたいと思っているけど、男性はそうではないというパターンもままあるのです(もちろん、その逆も)。
当然、Datingの相手がBoyfriendやGirlfriendに発展する場合はあります。そのタイミングは人それぞれですが、
・「Girlfriend(Boyfriend)になってくれない?」と言われる
・「この人が恋人だよ」と友人に紹介される
・「I like you」が「I love you」に変わる
といった段階を経て、晴れて“昇格”となるようですね。日本では、「付き合おう」というしっかりとした“告白”を経てから恋人関係になる場合がほとんどなので、少し感覚が違うといえるでしょう。
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あくまでDatingを続けて恋人にならない人は、
“I don’t need boyfriend right now, because I don’t have time to dedicate to him, so serious relationship is too much for me”(今は彼氏いらない。他のことで手一杯なのよ。真剣な関係を築くのは荷が重すぎる)
“I like her, but I don’t know her that much yet. That’s why we‘re still dating.”(彼女のことは好きだよ。でも、まだ彼女のことをちゃんと知らない。だから、まだデーティングの関係を続けているんだ)
といった意見をもっているそう。このあたりは、日本人の感覚とあまり変わらないかもしれません。
フランクに思えるアメリカ人ですが、“大切なひとり”をつくるにあたっては、意外に慎重。そんな彼らの恋愛観が垣間見えます。
(文/しらべぇ編集部・永久眞規)