【ヒントは購入品にあり】「爆買い」中国人向けに生まれる新たなビジネスとは

2015/06/26 09:00


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2020年に開催予定の東京オリンピックを控え、外国人観光客の誘致に積極的な姿勢を示す日本。ここ最近では、街中に英語だけでなく中国語、韓国語表記の看板をよく見かけるようになった。

なかでも現在、最大のマーケットと言われるのが中国人観光客だ。日本政府観光局(JNTO)の調べによると、2015年5月には約38万人の中国人が日本を訪れている。これは長崎市の人口とほぼ同じ数値であることから、その規模の大きさが伺えるだろう。


■中国人観光客が生み出した新たなビジネスとは

そんな中国人観光客の訪日最大の目的が買い物だ。中国人向けの観光ガイドブックには、東京各地の観光名所案内と同じページ数を割いて買い物スポットが紹介されている。特に秋葉原や新宿、お台場は必ず掲載されている人気スポットだ。

彼らが狙うのが家電と日用品。これらを大量購入するさまは「爆買い」と呼ばれ、いまや一大マーケットとなっている。

しらべぇ0626中国 そんな日本を訪れる中国人観光客向けに、いま新たなビジネスが生まれている。

それが購入商品の輸送代行業者だ。「爆買い」をした中国人にとって、購入済みの商品を空港まで持っていくのは一苦労。そのため、商品をまとめて中国の自宅まで運んでくれる業者が存在するのだ。

むろん、中国国内の運送業者がここに入り込んでもよいはず。しかし、日本の業者が活躍するのにはある理由がある。

この業界で働く中村さん(37才・男性)は次のように語る。

中国の運送業者を中国人自身が信頼していないことが多いんです。日本を訪れる中国人観光客は、中国企業の悪い部分を知っている。実際に目的地まで運んでくれないのではないか、という疑念があるんですよ。

さらにたとえば、彼らが日本でよく買うものとして炊飯器とオムツ、肌パックがあげられる。これらの共通点が何だかわかりますか? すべて人の肌と関係しているものです。

炊飯器は直接口に触れる米を炊く家電、オムツと肌パックは言うまでもない。自国ではなるべく買いたくないものなんです。そして、これらはすべてかさばるもの。だから日本の運送業者を頼る必要が出てくるんです。

中国人観光客が望む商品と、運送業者の相性は抜群というわけだ。今後、オリンピックが近づく我が国ではさらなる観光客の増加が予想される。新たな観光ビジネスが勃興することは想像に難くないだろう。

(文/しらべぇ編集部

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