ほぼ「冬の飲み物」と思われているアレは夏バテにぴったりの栄養食品だった!
今週に入って全国各地で真夏日を記録し、いよいよ本格的な夏の始まりが感じられる日本列島。
夏の飲み物といえば、麦茶、キンキンに冷えた生ビール、縁日のラムネ…あたりを思い浮かべる方が多そうですが、夏にピッタリの意外な飲み物があるのです。
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■「甘酒」は夏の季語だった!
それは、甘酒。江戸時代、甘酒は「夏バテ防止ドリンク」として多くの人に親しまれていました。
現代とは異なり、冷房機器の発展していない当時は暑さを防ぐ術がない時代。質素な食事も影響し、死亡率のもっとも高い季節は夏でした。
そのため、注目されたのが「甘酒」。商人がさまざまな物を売り歩く江戸の町で、もっとも人気商品のひとつが甘酒だったと、文献『守貞漫稿』の中にも記されています。
また、お酒の席の前に飲んで悪酔いを防止するのが「武士の作法」とされていたのだとか。俳句の世界では、今でも「夏の季語」となっています。
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■江戸時代には好まれてたのに、現代では・・・
ところが、編集部が全国20~60代の男女1666名を対象に行ったアンケートでは、9割以上の人が「夏に甘酒を飲みたいとは思わない」と回答しています。
男女別・世代別にみても大きな差はなく、「夏に甘酒」というのは、すでに忘れ去られた風習なのでしょうか。
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■別名は『ジャパニーズ・ヨーグルト』
そもそも甘酒は、白米・米麹などを発酵させて造られる日本の伝統的な飲み物。夏バテや悪酔い防止の他にも、甘酒は私たちの体にさまざまな良い効果をもたらしてくれます。
たとえば、発酵に由来する栄養素がたっぷり。麹菌が繁殖するとき、ビタミンB1・B2・B6・パントテン酸・イノシトール・ビチオンなど人間が生きていくために不可欠なビタミン類を生成し、それが米麹に蓄積。
さらに、麹由来の「食物繊維」と「オリゴ糖」が腸内環境を整えてくれるので、便秘や肌荒れの予防・改善に役立ちます。「ジャパニーズ・ヨーグルト」という別名もあるほど。
また、甘酒に含まれる、たんぱく質を酵素で分解してできる物質「ペプチド」。 この物質は「天然の降圧剤」と言われていて、高血圧症の人に効果を発揮してくれるそう。
これらの他にも、人が体内で合成できない必須アミノ酸が豊富に含まれているなど、まさに栄養の宝庫。
いつしか冬の飲み物となってしまった甘酒ですが、「ちょっと夏バテ気味だな」と感じたら、普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
(文/しらべぇ編集部・かずきち)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年6月19日~2015年6月22日
対象:全国20代~60代男女計1666名