真っ暗な部屋で寝ることの重要性とは? 明るい部屋で寝ると肥満率高まる!?
©iStock.com/dagxter
睡眠コンサルタントの友野なおです。
脳の中に備わっている“生体時計”は、睡眠や覚醒、ホルモンの分泌や体温のリズム、さらには自律神経のバランスを司る大変重要な“時計”ですが、この時計は光によって支配されています。
明るい光のもとでは昼間だと認識して活動モードになり、暗いところでは夜間だと認識して休息モードになる。つまり、光を上手にコントロールして昼と夜のメリハリをつけることが大変重要になります。
では、眠っているときの光環境はどのようにするのがベストなのでしょうか?
●
就寝中は目を閉じていますが、実は人は瞼の上からでも光を感知することができるため、就寝時は真っ暗な環境が理想的です。
奈良県立医科大学の研究グループが528人の高齢者を対象にした研究によれば、夜間の豆電球使用が肥満や脂質異常症のリスクを1.9倍引き上げることが明らかになりました。また、オックスフォード大学で行われた研究では、明るい部屋で眠っている女性の肥満率は暗い部屋で眠っている人よりも高いことが判明したそうです。
とはいえ、真っ暗だと怖くて眠れないという人もいるでしょう。その場合、無理して真っ暗にしてしまうと興奮モードの交感神経が優位になってしまい、その人にとっては眠りづらい環境になってしまうので、コンセントに差し込むタイプのような小さな明かりを使うことをオススメします。
テレビをつけっぱなしにしたり、寝落ちするまでスマートフォンを見ていたりといった行動はやめるようにしましょう。
●
良質な睡眠をとることは、肥満の予防や生活習慣病罹患率低下など、健康維持にダイレクトに影響を与えます。
ぐっすり深い眠りを得るためには寝室の空間を適切につくる必要があるので、光環境以外にも音環境、寝具環境、温湿度環境などトータルで見直してみてくださいね。
(文/睡眠コンサルタント・友野なお)