劇場版レビュー!「ゴーバスターズvsゴーカイジャー 」の魅力【出口博之のロック特撮】

2015/08/24 19:00


こんにちは、白ポロ+眼鏡でおなじみのMONOBRIGHT、ベースの出口です。

夏休みも佳境を迎えてきましたが、「仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」と、「手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖!」はご覧になりましたか?

仮面ライダードライブでは新しい仮面ライダーである「仮面ライダーゴースト」がいち早くお目見えしているので、未見の方は要注目です。

特撮番組の劇場版の面白さは、新ヒーローの登場だけではなく、テレビ放送では見られない派手な特撮アクションストーリーなどがあります。

今回は、スーパー戦隊シリーズの劇場版から「特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE」をレビューしながら、劇場版の面白さ役割をご紹介したいと思います。

sirabee0821deguchi001画像出典:Amazon


画像をもっと見る

■スーパー戦隊シリーズ劇場版の歴史と特徴

スーパー戦隊シリーズの劇場版は、もともと「東映まんがまつり」から始まります。

「東映まんがまつり」とは、東映が1969年から春休み、夏休み、冬休みの時期にあわせて劇場でテレビ放送されていたアニメや特撮を数本まとめて上映したものです。

この中の一枠で上映された「秘密戦隊ゴレンジャー」のテレビ放送を再編集したものがシリーズ最初の劇場版になり、その後、劇場版オリジナルストーリーのものが制作。

劇場版シリーズに共通する特徴としては、子供向けなので従来の映画の上映時間よりもかなり短くなっていることです。それにより、ストーリー展開のテンポ感が良く、飽きずに見られます。

現在では、過去シリーズや仮面ライダー、他の特撮シリーズと共演するクロスオーバー作品や、 Vシネマシリーズなど、豪華な「お祭り感」で溢れた作品が多く制作されています。


関連記事:【ひとり空耳アワー?】夏フェス好きでも洋楽を歌えずにゴマかしている人の割合が判明!

■特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIEの見所

劇場版の中でもお祭り感に溢れた上に完成度が高い作品が、2013年1月に公開された「特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE」です。ストーリー、特撮、アクション、これらの要素が非常に高いレベルでまとまっています。

まずはストーリーについて。 かつて地球を守った海賊戦隊ゴーカイジャーが敵組織と手を組み、特命戦隊ゴーバスターズが守る地球に突如来襲し、戦います。もちろん、ゴーカイジャーはある目的のため敵を欺き潜入していたので、悪に寝返った訳ではありません。

sirabee0821deguchi002画像出典:Amazon

物語の軸はゴーバスターズの世界観が主軸となり、「相棒との別離」が描かれます。序盤で交わされるゴーバスターズ陣営の雑談の中で「俺たちがいなかったら、どうするんだよ?」が伏線になっていて、その後の復活劇が最大の見所です。

全体的に当時の現行作品であるゴーバスターズが軸になっているので、先輩であるゴーカイジャーは一歩引いた立ち位置にいます。

そのため、ゴーカイジャー陣営の描写(敵組織への潜入の細かい顛末、ゴーバスターズとの積極的な絡みなど)が控えめになっているものの、要点をゴーバスターズ陣営にまとめることによって、物語全体が小気味よく展開されているのです。

sirabee0821deguchi003画像出典:Amazon

さらに特筆すべき部分は、巨大ロボット戦が非常に豪華であること。 劇場版ということもあって、テレビでは見られない規模の戦闘が展開されています。

ストーリー上、登場人物が時空を超えて江戸時代に飛ばされるのですが、燃え盛る京都でのロボット戦は必見。特に、建物のミニチュアはかなり精巧に作られています。

アクションについては、両戦隊そろい踏みのスピーディな殺陣(たて)と、テレビ放送では見られない量の火薬でしょう。とにかく爆発がデカい。これも劇場版ならではの見所ですね。

役者さんが大爆発の中を悠然と歩いてくるシーンは、これぞヒーローといった感じがして心が震えます。


関連記事:次世代ヒーローはここにいる!?話題の「劇団プレステージ」に迫る!【出口博之のロック特撮】

■劇場版とテレビ放送の相互関係について

例外を除き物語の本筋はテレビ放送で行われ、劇場版ではサイドストーリーの役割を持たされています。

しかし、サイドストーリーに登場したアイテムや登場人物がテレビ放送でも扱われる場合があるので、テレビ放送だけでは時として「これはなにかな?」と思う場面がありますが、これこそが劇場版の面白さ、言い換えると作品の世界観が拡張される面白さです。

新ヒーローの初登場も次作のテレビシリーズを予想する面白さが含まれています。初登場時のヒーローはキャラ設定が固まっていないので、テレビ放送とは違った性格の場合もあります。この違いを見つけるのも、劇場版の楽しみ方の一つではないでしょうか。


関連記事:海外でも大人気!日本の特撮ヒーローの活躍と影響力の考察【出口博之のロック特撮】

■最後に

今回紹介した作品に登場する海賊戦隊ゴーカイジャーは、過去のスーパー戦隊に変身できる能力を持っており、ある種「節目」の作品。対して特命戦隊ゴーバスターズは「シリーズの新たな流れを作る」役目を持っています。

今作は「これまでの総決算」と「これからの新たな一歩」を繋いだ作品といえるでしょう。「特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE」はスーパー戦隊劇場版の入門編としてお勧めしたい作品です。

(文/MONOBRIGHT・出口博之)

コラム特撮
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング