まるで予知能力!ファッションのトレンドは「全身」で浴びるように受け取れる!?
@iStock/CreativaImages
こんにちは、スタイリストの久保田(フランソワ)です。
ファッション業界で長く働いていると、ときに「最近、急にピンク(色)が気になって仕方ない」「なぜかボーダー(柄)にばかり目がいってしまう」という、胸のざわつきを覚えることがあります。
しかも、この感覚は同業者に聞くと多くの人間にほぼ同時期に起こっているようです。
取り立てて明確なニュースソースがあるわけでもないのになぜか皆一斉に「(水玉でも花柄でもストライプでもなく)あ、なんか最近急にボーダーが気になる」という感じになります。
「欲しい」までは行かないこの感覚、やはり「気になる」という表現がいちばんしっくりくる気がします。
■もはや未来予知!?
おそらくは、毎日膨大な量のファッション情報(商品やサンプル、雑誌や店頭、周囲のスタッフの服装など)に浸かっているため、無意識のうちにトレンド情報が脳内に蓄積されたことによるシンクロニシティだと考えられます。
面白いのは、それが「今現在」だけでなく「来シーズン、来年欲しくなりそうなもの」といった先取り欲求の形で、未来のトレンドが予見されることです。
「トレンドを予測しよう」というような論理的思考ではなく、自然発生的にただ「◯◯◯が気になる(欲しくなるかも)」という予感めいたものが降りてくる。もしかすると、こういうのはファッション業界に限ったことでないのかもしれません。
どんな業界でも、その最先端で働いている人たちにとっては、日々最新の情報が肌に染み入ってくるように取り入れられ続けることで、次に来る流行や業界全体の潮流のようなものを自然に予見することができるようになるのでしょう。
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■アンテナの感度が変わる!
そういえば以前、こんなことがありました。オフィスの場所が3年毎に渋谷→代官山→四ッ谷→渋谷と次々に移動した時期のこと。
おしゃれなショップが立ち並び、感度の高いファッショニスタ達が闊歩している渋谷・代官山で働いているときは、特に意識しなくても流行っている服が常になんとなくわかっていたし、トレンドの予感もちょくちょく感じていました。
ところが仕事の拠点が四ッ谷に移ってしばらくすると、流行に対するアンテナが目に見えて鈍り、コーディネートを組むのにも迷いが出るようになりました。
ましてや「次はアレが気になる」という予感など、まったくもって降りて来ません。思えば四ッ谷オフィスの周囲にはアパレルショップは1軒もなく、歩いている人もスーツや制服姿の会社員がほぼ100%という環境でした。
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■情報は全身で浴びるべし!
このときに気づいたことは、生きたトレンド情報は必死になって集めたり学んだりするのではなく、無意識のうちに日々全身で浴びるように受け取り続けること、そのような環境に身を置いておくことによってのみ手に入れられるということです。
ちなみに四ッ谷の後、再び渋谷オフィスで働くようになると、はっきりと自覚できるほどファッション感度を取り戻すことができました。
今は無性に「シルバーのトップス」が欲しいのですが、これは単に先日買ったネイビーのジョガーパンツと相性の良い銀色が欲しいというだけで、トレンドの予感ではないと思います。
画像はZOZOTOWNのスクリーンショット
(文/久保田フランソワ)