【又吉直樹も通う銀座の名店】90年の歴史を誇る文壇バーはなにがスゴいのか
東京・銀座にあるバー「ルパン」。きらびやかなブランドショップの裏道に位置するこの店は、多くの有名作家や医学会の著名人が集い、気さくに語り合う場所として知られています。
■銀座 ルパン
東京都中央区銀座5-5-11 塚本不動産ビル B1F
2015年に芥川賞を受賞したお笑い芸人の又吉直樹(ピース)も、自著『東京百景』(ワニブックス)内で、何度か訪れた旨を書いています。
かつては織田作之助、坂口安吾、太宰治といった無頼派も行きつけだったこちらの店。開店時は里見弴、泉鏡花、菊池寛、久米正雄といった文豪が開店支援をしたという歴史があります。
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◆オープンから90年
1928年(昭和3年)のオープン以来、90年に渡ってこの地で愛され続けてきました。もともとは「カフエー」と呼ばれる形態からお店はスタート。これは、女給によるサービスでお酒を飲ませる洋風酒場のこと。その後、当局による洋風名の禁止や、第二次大戦時の空襲で被害を受けるも、今日この日まで生き延びてきました。
映画のワンシーンに出てきそうなアジト風の入口。
壁の黄ばみが歴史を感じさせます。
ベテランのバーテンダーがシェーカーを振ってくれます。
木の温もり、そして酒場独特のアルコールの匂いが心地よく感じられます。
こちらは太宰治、坂口安吾、織田作之助の写真。
偉大な文学者たちの足跡が残っているこちらのバー。魅力はゆったりできる温もりのある雰囲気と安心感だけではありません。歴史を知っている年配のバーテンダーとの話もまた、美味しいお酒を飲むための秘密。様々な魅力があるからこそ。ここ銀座で90年ものあいだ愛されてきたのかもしれません。
(文/しらべぇ編集部・松岡佑季)