【風邪にまつわるウソホント】馬鹿は風邪ひかない?…などを医学生が検証
季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。周りに「かぜひいちゃって…」という人も増えているかもしれません。そんなときによく言われるのが、「うつせば治る」「馬鹿はかぜをひかない」といった怪しい言い伝え。そこで今日は、大学で医学を勉強中の筆者が、かぜにまつわるエトセトラの真相に迫ります。
■かぜは薬で治る?
残念ながら、かぜを「直接治す」有効な治療薬はまだありません。一般的に「かぜ」と呼ばれるものは、鼻や口腔を含む「上気道」と呼ばれるところの炎症のことで、正式には「かぜ症候群」と呼ばれます。
この上気道の炎症の一番の原因はウイルスが粘膜に感染すること。感染すると、人間の体が部外者であるウイルスをやっつけるために戦い、戦いの副産物として、鼻水、喉の痛み、咳、たんなどの症状を引き起こします。
鼻水なんか出てほしくないですが、自分の体が頑張った結果だと思えば、鼻水すらも愛おしく・・・はならないですね。ひどくなると、だるさや発熱ともなうことがあるのは皆さんもご存じの通りです。鼻水などの戦いの副産物を和らげる薬はあるものの、安静にして十分な睡眠、栄養を取ることで、体のウイルスとの戦を応援しましょう。
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■馬鹿はかぜをひかない?
しらべぇ編集部の調査によると、今まで一度も「かぜをひいたことがない」と答えた人が5.1%に上りました。かぜには対処療法しかありませんから、かぜっぽくなっても薬を飲んだり、病院には行かない派がいるかもしれません。そういう人が「ひいたことがない」と答えた可能性もあります。
しかし、「馬鹿だからかぜをひきにくい」という根拠はまったくありません。「かぜをひいていることも自覚できないだろう」という意味なのか、「勉強もせずに寒空の下で遊びまわっている子のほうが健康的」というイメージがあったせいか…理由はわかりませんが、根拠もなくこんなことを言う人のほうが馬鹿扱いされる可能性もあるので、気をつけましょう。
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■かぜは人にうつせば治る?
人にうつせば治るというのも、まったく根拠ナシ。かぜには潜伏期間があるため、ちょうど治った頃に看病してくれた人が発症するケースがあるかもしれませんが、これは結果論です。せめて、かぜの被害を自分だけにとどめるためにも、手洗いうがい、咳エチケットを守りましょう。
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■風邪のときはお風呂に入っちゃダメ?
ぬるいお風呂は熱を下げる手助けになるという報告があります。ただ、その後に体が冷えると、かえって熱が高くなってしまうかもしれないので、湯冷めには注意が必要です。もちろん、38℃の熱がでるようなひどい時には、お風呂に入るより、寝て体を休めるほうが良いと思いますし、お風呂に入る元気もないでしょう。
また、乾布摩擦はかえって熱を上げるとの報告もあり、加えて強い刺激で皮膚を傷つける可能性もあるので注意が必要です。
いかがでしたか? みなさんの健康な秋冬ライフの一助となれば幸いです。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年9月19日(金)~9月22日(月)
対象:全国20代~60代 男女1369名
(文/しらべぇ編集部)