【加藤さん、事件です】閑静な住宅街に住んでいる人は4割!
©iStock.com/Mihajlo Maricic
テレビを見ていてよく耳にする「閑静な住宅街で事件は起こった」というコメントがある。「どうして事件はいつも『閑静な住宅街』で起こるんだろう?」と冷静に疑問に思ったことのある人も少なくないはずだ。
この言葉、本当にそのような閑静な場所だったのか、それとも単に使いやすい表現だったのか。どれくらいの人が「自分の住んでいるところは閑静」と考えているかを調べてみることにした。
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■「閑静な住宅街」と自覚している人は…
しらべぇ編集部が全国20代~60代の男女1371人にアンケート調査を行ったところ、全体の37.7%が「自分の住んでいるところは閑静な住宅街だと思う」と回答。
単純計算ではあるが、なんらかの事件に巻き込まれてしまった場合、およそ4割弱の人が「事件は閑静な住宅街で起こりました」とナレーションされてしまうということになる。
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■年代別調査だと60代以上は「閑静」好き
年代別調査だとはっきりとした差が現れた。年齢が上がるにつれて「閑静な住宅街」に住んでいる割合が上がり、60代では50%を超えたのである。
若い頃は都心部に住んでいた人も、子供が生まれたり、年を取るなどして、環境のいい郊外へ引っ越すことは多い。その結果、「閑静な住宅街」に住む割合も増えるのだろう。お年寄りほど、より一層の注意が必要であろう。
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■マスコミの報道姿勢に疑問を持つ声も…
調査を通じて、半数以上の人が「閑静な住宅街に住んでいない」と感じていることが判明した。もちろん、なにをもって「閑静」と考えるかはその人次第ではあるが、意外に少ない数字ではないだろうか?
しかし、実情はどうも違うようだ。今年9月に発生した事件において、被害者とたまたま同じ町に住んでいたNさん(24歳・男性)は、次のように語った。
「事件が起きてテレビを見ると、神妙なナレーションで『閑静な住宅街で事件は起こった』と言われていました。でも、この町は実際は子供が多いベッドタウン。高速道路も近くにあり、私鉄も通ってる、建売の家が集まった比較的ごみごみした町です。定型文とはわかってたけど、まさか自分の住む町までそうなっちゃうとは思わなかった。
まあその後、しばらくはマスコミだらけで全然閑静じゃなくなったんですけどね」
マスコミの過剰報道は時に問題視される。近頃、バラエティタイプのニュース番組でよく見る「被害者のSNSが掘られて、時系列順に再現される」という演出も、やり過ぎではないか?と感じる人も多い。
「閑静な住宅街」論調にも、根底の部分で通じているものがあるのではないだろうか。
朝のワイドショーとかで犯人なり被害者なりの人物像をTwitterやらFacebookやらブログやらから文章抜き出していいように組み立ててVTR作るのを見るたびにみんな犯罪だけはテレビにだけは映ってはならんぞと願うばかり
— Dummy (@Dummy0705) August 12, 2014
番組をできるだけドラマチックに仕上げたい気持ちも分からなくもないが、報道にとって一番大切なのは「事実をありのままに伝えること」なはず。装飾に頼らない、骨太なニュース番組を期待したいものだ。
(取材・文/しらべえ編集部・岡本拓)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年11月20日~2015年11月24日
対象:全国20代~60代の男女1371名