【被害者のSNSから再現VTR】自分のTwitterでどうなるか試してみた

2015/12/04 12:00


報道番組の再現映像

テレビ制作者の倫理観が問題視される事件が続いている。「やらせ」や「データの偽装」などがやり玉に挙がっているが、最近批判の声が強まっているのが「事件の被害者のSNSから再現VTRを作成する過剰演出」だ。

被害者のプライバシーを晒しているという意味でも、信ぴょう性に乏しく推測を多く含むという意味でも、違和感を感じている人が多い。



■半数の人が倫理的な問題を感じていた!

報道番組の再現映像

実際、アンケートサイト「マインドソナー」による調査でも、5割を超える人が「倫理的に問題がある」と感じていた。


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■鍵なしSNSの怖さ

当事者の死後にパスワードがわからず、ログインできずにSNSに鍵をかけることができないことにも問題があるようだ。事件の被害者ではないが、今年7月に息子を自殺で亡くしたHさん(女性・55歳)によると…

「息子の写真がほしくて…息子のスマホから写真を探し出そうとしたけど、Facebookにパスワードで入れませんでした


もし事件に巻き込まれてしまったり、生きることを諦めてしまった場合、上記のようなことは十分に起こりうる可能性がある。

もちろん、テレビでSNSを報じられる人はほんの一部だろうが、プライバシーを守るためのパスワードが、逆にプライバシーを守らない結果を生むとは、皮肉な話だ。


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■実際に被害にあったと仮定して自作してみたら…

もし、自分が運悪く事件の被害者になってしまったら、どうなってしまうのだろう?具体的に想像しやすいよう、実際に自分のTwitterを使って再現してみることにした。

(概要)
・プライバシーの観点から、筆者岡本のTwitterを元に作成。
・前職がブラック企業の社畜で病んでいた時期があるので、それを活用。
・「人間関係に悩むうち、自暴自棄な行動に走り、それが原因で事件に巻き込まれた」という、再現VTRでよく見かける流れを拝借。


NA「今年四月から、東証一部上場企業で社会人生活をスタートさせた拓さん」


NA「この頃は、Twitterにも前向きな投稿が多く見られる」


NA「しかしその後、上司と折り合いが悪くなる。周囲の人にも相談していたようだ」


NA「子供の頃から優しい性格だった拓さん。次第に、上司の厳しい言葉は彼の心をむしばんでいった」



NA「そしてある日、こんなツイートを」


NA「この日以降、ツイートは表面的なものになり、数も少なくなった。拓さんが事件に巻き込まれたのは、それから一週間後…」


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■プライバシーに真剣になろう

今回、この記事を執筆するにあたって、過去のツイートを見返して感じたのは「自分でも忘れているようなツイートがたくさんある」ということ。

酒に酔った時にツイートしたのか、まったく覚えていないものも存在した。しかし、上記のようにストーリー仕立てで説明したなら、実際はなんの意味もない、事件とは全く関係のないツイートも、意味深にとれるようにできるのではないだろうか。(とくにポエムなツイートを日常的にする人は、残念だが「料理しやすい」とも言えるだろう)

きっと、今後も過剰演出は続くはずだ。自分自身が命を落としてしまうような事件の被害者となる可能性は低いと思う人も、プライバシーについては一度しっかり考えたほうがいいのだろう。

(取材・文/しらべえ編集部・岡本拓

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