増加する熟女フーゾクブームの裏にはやるせない現実が…
満つれば欠けるのは世の常で、熟女風俗にも終焉の兆しが現れている。
ちょっと昔まで熟女が好きと口にすれば「うわぁ…」という声と冷たい視線を浴びたものだが、気付けばエロの定番ジャンルとなって久しい。
三十路、四十路の女優が人気となり、若さが売りの一つであったグラビアアイドルもアラサーが珍しくない。
エロ業界における格言の一つに「好景気だとロリが流行り、不景気では熟女が流行る」というものがある。理由は単純明快、熟女はギャラが安いからだ。
■キワモノからメジャーへ
熟女ブームの起こりは出版不況がエロ本にまで押し寄せた90年代後半だった。2000年代前半には熟女雑誌が乱立、コンビニの成人雑誌コーナーを埋め尽くし、AVでは熟女専門レーベルが続々と立ち上がった。
この波はエロ本やAVというコンテンツだけではなく、フーゾク業界にも波及した。エロ本やAVが終焉しつつある現在、まだ息をしているのは風俗業界くらいだろう。
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■不景気が引き起こした熟女ブーム
2000年ごろに熟女風俗店を始めたオーナーによると、きっかけは風俗の利用者減少にあったという。
「この業界は女の子の確保が命。けれど、売上が低下する中で高コストな若い娘を在籍させることが難しくなった。そのため人件費が安くつく熟女に方向転換したのです」
もともと一部のファンがいるジャンルだったが、大多数の利用者にとってキワモノ扱いだった。
しかし不景気が長引くにつれ可処分所得が減少。風俗遊びを止められないダメ紳士たちにとって他に選択肢はなかった。やむなく利用するうちに「熟女っていいじゃないか」というポジティブな意識が形成されていった。
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■武器は丁寧な接客態度
当時の熟女風俗の武器は丁寧な接客にあった。
若い娘から雑な接客を受けることに辛抱していた一般的な利用者に、この態度は熱烈に支持された。
ブーム勃興時に熟女風俗へはまった利用者は「風俗嬢が丁寧に接客してくれるなんて、何とも言えないほど感動的だった」と振り返る。
今でこそ丁寧な接客は当然視されるが、当時はそんなことで心打たれるほど酷かったのだ。
利用者が増えるに従って熟女風俗は拡大していった。金が集まれば人材も集まるのはどの業種も一緒で、若い娘も人妻というキャラや年齢を水増しするなどしてこのジャンルへ参入していった。
低価格で若い嬢と遊べるとなれば、より多くの利用者を呼び込む。この循環によって風俗業界で熟女というジャンルが主流となっていった。
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■供給過剰で衰退の兆し
しかし、満つれば欠けるのは世の常で、熟女風俗にも終焉の兆しが現れている。
低価格路線のまま供給過剰となり、業界を離れる女性が増えつつある。
40代の人妻風俗嬢は「ここ最近、店に行ってもお客がつかないことが珍しくなくなった。店からも暗に退店を勧められるし、食べていけないのでアルバイトを始めた」と苦笑する。
多くのリスクを背負っても得られるリターンが少ないなら、敢えて風俗で働く女性はいないだろう。
(取材・文/しらべぇ編集部・伊藤憲二)
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)