「帝王切開」はお産じゃない?世間の認識調査で悲しい声が…
今月、あるTwitterユーザーが女性の出産に関するツイートを投稿し、反響を呼んでいる。
https://twitter.com/thundermita/status/684572150385098752
このユーザーによると、帝王切開で出産した女性に「帝王切開はお産ではない」と心ない言葉を掛ける人が一部でいるといい、それにより苦しんでいる人がいるのだそうだ。
帝王切開も立派なお産ではないのだろうか? しらべぇ編集部では、世間の認識を調査してみることに。
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■「帝王切開はお産じゃない」と思うのは1割
アンケートサイト「マインドソナー」を使って全国10代〜50代の男女332名を対象に「帝王切開はお産じゃない?」と尋ねてみると、全体でおよそ1割の人が該当した。男女別では、若干であるが女性に多い印象である。
それぞれに意見を聞いてみると…
「帝王切開でも無痛分娩でも、お産にかわりはないんじゃないの? どんな出産法でも危険は伴うと思うし。女性のほうが帝王切開に抵抗がある人が多そう」(30代男性)
「将来子供を産みたいけど、帝王切開での出産は絶対にイヤです。お腹を痛めて産むからこそ出産だと思ってる」(20代女性)
「帝王切開でだったら産みたくない。『もしも自分が帝王切開になったら…』と、今から心配。友達が帝王切開で出産したと聞いて、心から『おめでとう』が言えなかった」(30代女性)
実際に産む立場でもある女性は、「帝王切開はお産とは言えない」と深刻に思い悩んでいる人もいる様子だ。
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■帝王切開ってなに?
帝王切開とは、母体か胎児に何らかの問題が生じて通常の出産ができない場合に、お腹と子宮を切開する出産方法。現在、日本では5人に1人が帝王切開での出産だそうだ。
逆子の危険性や高齢出産が増えていることなどで、リスク回避のためにそうした選択肢があるという。
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■帝王切開、胎児へのリスクはないが…
帝王切開で出産した場合、赤ちゃんへのリスクはほぼないと見られているが、じつは母体への影響は相当なのをご存知だろうか?
・術後の傷口の激しい痛み
・しばらくは入院で寝たきり状態
・次の出産で自然分娩をすると子宮破裂の恐れも
まさに、母親は命がけなのである。
昨年放送され大反響だったTBSドラマ『コウノドリ』でも、綾野剛が演じる産科医・鴻鳥サクラが作中で以下のように語り、心を打たれた視聴者が多かったようだ。
「帝王切開を受ける妊婦さんは、自分の病気やケガを治すためでもなく、赤ちゃんの命を守るためだけに命をかけて自分から手術台の上に上がるんです。僕らはそれをお産ではないと言えません。帝王切開は立派なお産です」
知識が少ない人ほど、帝王切開でのお産を軽蔑視する傾向がありそうなこの問題。しっかりとした認識があれば、口が裂けても「麻酔が効いて楽でよかったね」「もうちょっと頑張れば下から産めたのに」などと言えないだろう。
(取材・文/しらべぇ編集部・chan-rie)