大地震への「備え不足」を実感9割 阪神・淡路から21年
阪神・淡路大震災をもたらした「兵庫県南部地震」から21年を迎えた1月17日、各地で追悼の催しが行われている。
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■21年の歳月、追悼行事に変化も
神戸・三宮の「東遊園地」(中央区加納町6)では5時、地震が発生した5時46分に合わせ竹製の灯ろうで「1.17」の文字をつくる「阪神淡路大震災1.17のつどい」が始まった。現在も来場者の訪れは切れ目がない。
昨年まで主催していた市民団体メンバーらの高齢化が進んだこともあって、今年からは別の団体が行事を引き継いでいる。灯ろうが形づくる文字も地震の発生日を表す「1995 1.17」から、「未来 1.17」に変わった。
「市民による追悼行事を考える会」(神戸市)によると、民間が主催する今年の追悼行事は58件。20年の節目を迎えた昨年の110件から半減した計算になる。
長年にわたり続けられてきた行事の取りやめも各地で見られるという。
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■「記憶」の風化、避けられず
今月、神戸や西宮などの震災を経験した市や町で開かれた成人式に出席した「二十歳」は、全員が震災後に生まれた若者だ。
西宮で成人式 阪神・淡路大震災後生まれの世代2617人
兵庫県立総合体育館で1月11日、西宮市成人式「二十歳を祝うつどい」が開催された。https://t.co/iDz30ePLRW pic.twitter.com/i6CETxPpBg
— 西宮経済新聞 (@nishinomiyakei) January 13, 2016
当時、国内のみならず世界に衝撃を与えた「未曽有の災害」も、やがては記憶の風化を避けられない。
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■「備え不足」9割が実感
アンケートサイト「マインドソナー」を利用しての調査によると、「大地震への備えは常日ごろから万全だ」という人は10%ほど。残る90%近くは「備え不足」を実感しているようだ。
なお「阪神・淡路」では、6400人余りが亡くなるとともに4万3000人以上が負傷。建物の全半壊で約46万世帯が家を失い、避難所へ入った人の数はピーク時で 31万6000人に達している(総務省消防庁、兵庫県調べ)。
また「阪神・淡路」の後、震度6弱以上の揺れを観測した地震は40回で、うち震度6強は11回。「阪神・淡路」と同じ震度7も2004年「新潟県中越」と2011年「東日本」の2回あった(気象庁データより)。