洗濯物をたたんでおいたのに叱られたとき、夫が取るべきリアクションは?
「はじめまして!」なんですが、みなさんお忙しいでしょうから、自己紹介は端折りましょう。それでも「気になる!」という奇特な人はプロフィールを見てください。
というわけで、いきなり本題に入りますが、ちょっと前に「家事ハラ」騒動、ありましたよね。家事をする夫に対し、妻がダメ出しをしたり、なじったりするということを「家事ハラ」と名付け、そういうことはやめて夫婦で仲良く家事をしましょうと訴えるつもりだった広告が、逆に女性たちの反感を買い、炎上したというものです。
いや、それを蒸し返すつもりはないんです…。ただ、男性としては、せっかく育児や家事をがんばっているのに、それを否定されたらやっぱりそりゃつらいわけです。実際にそんな目に遭ってしまったら、どうすればいいのか、考えてみましょう。
たとえば、取り込んであった洗濯物を見つけ、気を利かせてたたんでいたら、朝から何だか機嫌が悪い妻から「たたみ方が違うでしょ!できないんだったら余計なことしないで!」と言われちゃった場合、どう受け答えするのがいいでしょうか。3択です。
①「わかった。じゃ、やらない」と、育児・家事から手を引く
②「一生懸命やっているのに、そんなこと言われたら傷つく」と伝える
③「ごめん。どこを直せばいい?」と聞く
<解答と解説>
①=×
妻は、口では「余計なことしないで」と言ってはいますが、それが本音ではありません。夫が、慣れないなりに努力してくれていることはわかっていながら、ついイラっとして、心ないことを言ってしまっただけです。それなのに、真に受けて、「じゃ、やーめた」となってしまったら、ますます妻の不満は大きくなります。
②=○
お互いに、仕事と家事や子育てのストレスで余裕がなくなっている毎日。だからといって「売り言葉に買い言葉」というのはいただけません。自分の不満を相手に伝えたいときには、相手を非難するのではなくて、自分を主語にして、自分の気持ちを伝えるというテクニックが有効です。
心理学ではこれを「I(アイ)メッセージ」といいます。「Iメッセージ」を使うと、相手は非難されたとは感じにくくなります。だから素直に自分の非を認めやすいのです。だからといって「ごめんなさいね。言い過ぎた」なんて素直に謝ってくれるとは限りませんが、次からは少し、言い方を変えてくれるかもしれません。
③=◎
この状況で「ごめん」と言えればたいしたもの。何も悪いことをしているわけではないんです。でも、相手がイラッとしているなら、「ごめん」と言ってしまうのができる夫のしたたかさというものです。人混みですれ違いざまに肩がぶつかってしまったとき、自分が悪いわけじゃなくても「ごめんなさい」と言ってしまったほうがいいじゃないですか。
それと同じです。すぐに「ごめん」と言われれば、相手もそれ以上責めようとは思いません。さらに「どこを直せばいい?」と下手に出つつ、折れない心をアピールします。そこまでされれば、奥さんも「自分の言い方が悪かったかな」とちょっぴり反省してくれるでしょう。口には出さないと思いますが。
やらなきゃやらないで怒られる。やったらやったで怒られる。ま、そういうものだと思って、したたかにスリル満点の夫婦生活を歩みましょう!
……といった具合で、これから隔週で、男として、夫として、父親として、「しなやかに」ではなく「したたかに」生きる知恵について、一緒に考えていきたいと思います。ただし、最初に言っておきますけど、あんまり真に受けないでくださいね。このコラムを信じたためにいかなるトラブルが発生しようとも、筆者も編集部も責任をとる気はさらさらございません!
(文/おおたとしまさ)