『危険地帯』にある日本人学校の避難訓練がガチすぎる
しらべぇでは以前、不安定な治安下にあったパキスタンの学校に通う中学生の、危険すぎるエクストリーム登校をご紹介した。
危険地帯ともなると登校もさることながら、万が一の場合に備える「避難訓練」も、日本のそれとはレベルが違うようだ。前回に引き続き、パキスタンで中学時代を過ごしたAさん(20代・男性)に話を聞いた。
■生きるか死ぬか 避難訓練は「大使館に無線連絡」
「テロリストが学校に侵入したことがわかると、校内放送が流れます。警備員さんがテロリスト戦ってくれている間に、私たち生徒はすぐに理科室へと逃げなければなりません。理科室には無線機が隠されているので、それを取り出しすぐさま職員室と大使館に状況を報告します。
私は無線係でしたが、ほかの生徒も鉄でできたドアの安全バーを下げるなど、ひとりひとりに役割分担があらかじめされていました」
やはり普通の日本の学校とは、設備の面から安全対策のレベルが違うようだ。
Q. 避難訓練は、実際に役に立った?
「実際にテロリストが襲撃してきたことはなかったですが、国語の期末試験の開始のチャイムがなった直後に銃声が鳴り響き、テストどころではなくなったことはありました。
後に『赤いモスク事件』と呼ばれる大規模な立てこもり事件で、学生をはじめ、亡くなられた方もいたようです。このときは確かに、普段の避難訓練のおかげでパニックになることもなく、落ち着いて対応できたのかなと思います」
Q. 日本の避難訓練についてはどう思う?
「高校は神奈川県の男子校に通っていたのですが、『避難訓練中、白い歯が見えていいの?』とは思ってました。人数のせいか一体感がまるでないところも、パキスタンでのそれとは違うな、と」
日本の避難訓練と危険地帯のそれを比べるのは筋違いかもしれないが、それでも彼の話から私たちが学べることはあるだろう。
昨年11月のパリのテロのように、テロは先進国でも十分起こりうる時代となってきている。あまりに平和ボケすることがないよう、普段からの危機意識の見直しが必要だ。
(取材・文/しらべぇ編集部・阮)