喫煙席でも平気で移動? コンセントを探し歩く日本人に警鐘
どちらに転ぶにせよ、「電気代」は日本国民にとっての最大級の関心事であり続けるようだ。
衣食住にはコストがかかる。それは当然の話だが、時として生活費そのものが目前の壁となって立ちはだかることもある。とくに光熱費は、供給会社の都合で上がることはあっても下がることはあまりないものだ。
「今月は電気や水を使いすぎてしまった…」と、請求書を見てから後悔しても遅い。だからこそ、普段からの心がけが必要になる。
■電気代と水道代、より意識するのは?
光熱費の柱は、何と言っても電気代と水道代。このいずれかが欠けたら、生活ができなくなってしまうが、電気代と水道代、より意識しがちな光熱費はどちらだろうか?
全国の20代~60代の男女1348名に尋ねたところ、結果は圧倒的だった。全体の79.5%の人々が「より気をかけるのは電気代」と答えたのだ。
電気代の話題は、震災以降途切れることを知らない。これには原子力発電所の稼働問題という慎重な事柄が絡んでいる上、我々現代人がより電力に頼るようになっているという事情もあるようだ。
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■過熱化するコンセントの奪い合い
「当店ではタバコを吸わないお客様が、喫煙席でお食事なさることが多々あります」
そう答えたのは、静岡市内にある大手喫茶チェーン店の店員だ。この店は、喫煙席にのみ電源コンセントが付いている。それを目当てに、タバコが苦手な客ですらもわざわざ喫煙席にやって来るというのだ。
「目的は、やはりスマホやパソコンの充電です。ですがコンセントの数にも限りがありますから、つまるところ早い者勝ちです」
スマートフォンの普及は、我々の暮らしを大きく変えた。それをあえて悪く言えば、我々は電動ロボットのごとく四六時中電気を求めるようになってしまった。
モバイル機器の電池切れは、現代人にとっての悪夢なのだ。
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■電力自由化を前に警鐘
4月から我が国で「電力自由化」が実施される。電力供給事業への新規参入が認められるのだ。消費者は複数の電力企業から、より自分に適合した会社を選ぶことになる。
企業間の競争原理が働き、結果的に電気代が安くなるのではという期待が持たれているが、一概にそう言い切ることはできない。
ヨーロッパは電力会社がいくつもあることで知られているが、中には顧客に料金前払い制のプランを契約させたにもかかわらず、最終的に倒産してしまったという会社もある。
そうなれば当然、顧客が支払った分の電力は供給されない。ドイツではこうしたことが社会問題になっている。
電力自由化は、我々の生活を豊かにしてくれるのだろうか? どちらに転ぶにせよ、「電気代」は日本国民にとっての最大級の関心事であり続けるようだ。
(取材・文/Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代の男女1,340名