珍交通システム「妊婦は乗らないで」カーレーターが開通50年
神戸の遊園地「須磨浦山上遊園」で3月18日、園内に残る国内唯一の「カーレーター」が開通から50年を迎えた。
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■「カーレーター」とは?
カーレーターとは、ベルトコンベヤーの上に据え付けたかご状の搬器に人を乗せて急勾配を上り下りする輸送システムのこと。同園のほかスキー場「びわ湖バレイ」(滋賀県)にもあったがすでに廃止され、現在では国内唯一の存在になった。
施工したメーカーの納入実績が以上2カ所にとどまることを根拠に、同園のカーレーターを「世界唯一」とする説もあるという。
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■「流れそう…」な乗り心地
カーレーターの起点は、神戸市街地の西部にそびえる「鉢伏山」(標高246メートル)の中腹。同園を運営する地元私鉄・山陽電鉄の須磨浦公園駅から「須磨浦ロープウェイ」を利用して上がる。
中腹からさらに山上へ向かうのがカーレーターで、開通は1966(昭和41)年。全長は91メートルで勾配は25度、所要時間は約2分。乗り心地の悪さで定評があり、同園公式Webサイトはこう説明している。
カーレーターはロープウェイ山上駅と回転展望閣を結んで、昭和41年3月に開通いたしました。その姿も当時のままで、「乗り心地の悪さ」が評判です。「いもむし」に乗った感じをお楽しみください。
「乗り心地の悪さ」を公式に認めていた。説明の続きでは…
振動がありますので、体調の優れないお客さま、また、妊婦の方は平行してあるハイキングコースをご利用ください。
「妊婦は乗らないで」と呼び掛けている。乗ってみると、たしかに「体の奥から何かが流れ出てしまいそう」な振動を感じる。妊婦が急勾配のハイキングコースを歩いて上り下りできるかはさておき、無理もない。
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■山上からは「絶景」も
カーレーター終点にある「回転展望閣」の喫茶コーナーは、同園呼び物のひとつ。ターンテーブル式の床を約45分かけて水平に360度回転させることで、窓外の見晴らしをぐるりと楽しんでもらう趣向だ。
席に着いて軽食か飲み物を注文すれば、目の前に広がる大阪湾や明石海峡と淡路島、神戸市街地などを眺めながら過ごすことができる。
(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)