【法律コラム】次の衆院選の行方によって「変わる可能性のある法案」はこれだ!

2014/11/18 06:00


しらべぇ1118総選挙

弁護士の佐藤大和です。年内に総選挙されることが決定されましたね。とは言っても、「なぜこのタイミングで総選挙?」という気持ちがありますが・・・。

さて、総選挙が行われると生活にどのような影響があるのでしょうか。AKBさんの総選挙とは異なり(AKBファンの一人としては大事な選挙ではありますが)、国民の生活に大きく関わってきます。今回は、その影響について、法律の観点』から切り込んでみたいと思います。


1.成立が延期する法律

法律は「国会」で決められます。そして、国会とは、「衆議院」と「参議院」で構成されています。今回の総選挙が決まると、「衆議院」は解散されるため、「参議院」も同時に閉会されてしまいます。そうなると、原則として法律を定める機関である「国会」は動かなくなります。そのため、総選挙がされると、法案の成立が延期されてしまうのです。

では、今回の総選挙によって、どのような法案が延期されてしまうのでしょうか。現在のところ、主な法案として以下の法案が延期されてしまいます。(※念のためですが、コラムを書いている時点で延期が濃厚な法案ですよ。もしかしたら出た時には成立しているかもしれません)

①まち・ひと・しごと創生(地方創生)法案
②女性活躍推進法案
③労働者派遣法改正法案
④景品表示法改正法案
⑤風営法改正法案

などなど。

う~ん、解散によって安倍首相が力を入れていた「まち・ひと・しごと創生(地方創生)法案」「女性活躍推進法案」が延期されそうですね。重要な法案ばかりだったため、やはりなぜこのタイミングで解散なのか、と疑問になりますね。

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2.政権によって変わる可能性がある法案

そして、総選挙が行わることによって変わる可能性があるのは政権。政権によっても法案は大きく変わってきます。(執筆している現在のところ、まだ各政党の公約はわからないことを前提にしていますが・・・)

まず、結果の是非はともかく安倍政権は、経済面についても大きく改革をしてきました。そのため、今回の総選挙において、そのアベノミクスの検証」も論点といえます。総選挙の結果によっては、消費税や法人税などの税制改正にも大きな影響があるでしょうね。

また、大きな違いの一つとして、「憲法改正や憲法の変更解釈に対する考え方」があると思います。自民党が圧勝した場合、「憲法改正や憲法の変更解釈に対する考え方」について、今の路線を進むでしょう。その他にも、自民党が圧勝するか否か、他の政党の議席数がどこまで伸びるかでも今後の法案は変わってくるでしょう。

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3.大臣によって変わる可能性がある法律

総選挙が行われると、国会議員の顔ぶれも変わります。そのため、大臣も変わってくる(可能性がある)でしょうね。これは憲法によって、衆議院の総選挙が行われて、総選挙後に初めて国会が召集された場合、当然に内閣は総辞職することになっているからです。

簡単にいえば、「選挙をして、国民に選ばれた議員の顔ぶれも変わったんだから、もう一回、内閣のメンバーを選び直して」ということですね。

「大臣によって変わるの?」という意見もあると思いますが、記憶に新しいのが、今回の総選挙の原因の一つとなっている(可能性がある)と思われ、「うちわ」が問題になってしまった松島みどりさん。この方が法務大臣になったとき、性犯罪の法定刑を引き上げ等の検討を「刑事局(法務省のなかで立案等を行う部署)」に指示したことは記憶にあたらしいですね。

このように誰が大臣になるかによっても、法律が変わってくる可能性があるのですね。

このコラムを書いている時点では、各政党の公約もわからなかったため、ふんわりとしたコラムになっていますが、今回の総選挙、皆さんの生活に大きく関わってくる「法案の行方」にもぜひ注目してみて下さいね。

(文/弁護士・佐藤大和

画像はWikipedia「国会議事堂」の項目からの引用です。

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