「モチモチ!」を麺類の褒め言葉だと思ったら大間違い!?九州・四国人は特に敏感
先日ある情報番組を見ていたところ、筆者も知る都内某所の有名イタリアンが紹介されていました。このお店が出すパスタの最大の特徴は、舌触りのよい歯ごたえある平らな麺。日本にある多くのイタリアンで出される「モチモチ」の麺とは違う独特の味わいと食感が人気を集めていました。
ところが、番組に出てきたレポーターは、そのパスタを口に運んだ瞬間、以下のような感想を言い放ちました。
「この麺、モチモチですっごくおいしい!」
さらに、もう一人の女性レポーターもこれに続いて「うん、モチモチでおいしいね!」と答えます。そこにはレポーターの反応を複雑そうな表情で見つめる店主の姿がありました。
画像をもっと見る安易に「モチモチ」を褒め言葉として使ったレポーター
このとき、番組に出たレポーターは2つの誤りをおかしていました。ひとつは、パスタの食感を「モチモチ」と評価したこと。もう一つは「モチモチ」という食感が無条件においしいものである、という思い込んでいたこと。むしろ、このイタリアンの店主は「モチモチ」が好きではなく、そうではない食感を目指していたので、レポーターはお店に対してある種の失礼な態度を取っていたとも言えます。
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44.8%が「『モチモチ』は必ずしも褒め言葉にはならない」と回答
男女1500名を対象に実施した「『モチモチ』という表現は、必ずしも麺類にとってほめ言葉とはならないと思いますか?」というアンケートに対し44.8%の人たちが「そう思う」と回答しています。
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うどんの影響?四国・九州ではより「モチモチ」に違和感
さらに、この質問への回答結果を地域別に見てみると、興味深い傾向があきらかになりました。以下のデータをご覧ください。
【地域別】
「モチモチ」という表現は、必ずしも麺類にとってほめ言葉とはならないと思う人の割合
北海道・東北:43.9%
関東:44.9%
中部:43.8%
近畿:44.6%
中国:40.0%
四国:48.1%
九州・沖縄:51.4%
全国平均(44.8%)に比べ、四国と九州・沖縄エリアの人たちの割合が高いことがわかります。
讃岐うどんが有名な四国の人たちにとって、麺類の褒め言葉は「しこしこ」なのかもしれません。また福岡名物・博多うどんはその「ふわふわ」とした食感が好きな人にはたまらないということで人気を博しています。
こうしたローカルフードへの愛着が地域別結果の差に現れているのかもしれません。香川出身・東京在住である筆者の知人男性は「上京当時、モチモチという言葉を耳にしたときにその意味がよくわからなかった」と口にしています。
また、博多うどんに対し「もちもちでおいしい!」と感想を言い放った東京から来た男性に対し、福岡在住の筆者の知人男性は怒りの表情を浮かべていたこともありました。これらのエピソードは「もちもちポジティブ幻想」が生んだ悲劇と言えるものでしょう。
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「食感音痴」に気をつけろ!?
いずれにせよ、パスタを含めたうどんなどの麺類には「モチモチ」を目指さない打ち方、茹で方があることは踏まえておいたほうがよいのかもしれません。お店のこだわりに気づかずに安易に「モチモチ」と評することは、味覚音痴ならぬ「食感音痴」の烙印を押されかねません。
グルメの問題から始まった本調査、地域性も争点になる興味深い結果となりました。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年12月12日(金)~2014年12月15日(月)
対象:全国20代~60代の男女1500名
(文/しらべぇ編集部)